パリを拠点に活躍する話題のアートユニット NONOTAK。その、音とビジュアルが一体となって独自の世界観を構築するアートワークが世界中から注目されている。大阪で開催中のエキシビションの様子をレポート

BY JUNKO AMANO

画像: ユニットを結成する前は、建築スタジオで働きながらメタルバンドで活躍していたナカモトタカミとイラストレーターとして絵本も手がけていたノエミシプファー

ユニットを結成する前は、建築スタジオで働きながらメタルバンドで活躍していたナカモトタカミとイラストレーターとして絵本も手がけていたノエミシプファー

「NONOTAK」は、2011年、元ビジュアルアーティストのノエミ・シプファーと元建築家兼ミュージシャンのナカモトタカミによって結成。直線や曲線、幾何学を光で照射した空間の中で、音楽をシンクロさせ、聴覚と視覚の両方に訴えるアートワークを制作するパリを拠点に活躍するアートユニットだ。

 ロンドンの国立美術館「TATE BRITAIN」での作品発表や世界中のアートフェスティバルでの展示のほか、「adidas」、「Stella McCartney」、「PUMA」のビデオクリップの制作協力や映画「JOHN WICK 4」の演出なども担当。 日本では、2024年渋谷駅前に完成した「Shibuya Sakura Stage」に巨大作品が常設展示されるなど、メディアアート界で世界中から注目を集めている。

 今回のNONOTAKの作品展示は、大阪の街をめぐる周遊型アートイベント「Osaka Art & Design」のひとつとして開催されている。
 展示会場となる「ESC Garage & Club」は、自動車愛好家が集う、ガレージやラウンジ、バー、サウナを備えた普段は完全会員制のクラブ。NONOTAKの代表作品である「SIGNALS」をベースに、光のグリッドが平面に構成される極めてミニマムな形から、ダイナミックなキネクトの表現とアンビエントな音の融合で空間をクリエイションしている。

画像: 今回は、作品の中に実際に人が入っていくことが可能。光と音が一体となったインスタレーションは約4分。途切れることなくループされ、どこが作品の始まりか終わりかはわからず、いつ入室してもOK youtu.be

今回は、作品の中に実際に人が入っていくことが可能。光と音が一体となったインスタレーションは約4分。途切れることなくループされ、どこが作品の始まりか終わりかはわからず、いつ入室してもOK

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 実は、今回の作品はパーマネントインスタレーションとして制作されたもの。「ESC Garage&Club」では、それぞれのルーム(ガレージ)にデスクを置いてワーキングスペースとして利用したり、ソファを置いて友人が集う遊び場に使ったり、クラブメンバーが愛車をアートのように眺めながら、自分の好きな時間を過ごせる場所を提供していて、今回の会場である「ESC GALEERY」も、ガレージのようなシンプルな四角い空間に。会期終了後は、ギャラリーの中央に車を置き、車をインスタレーションの一部として楽しめるようになるという。

画像: 会期終了後は、車をインスタレーションの一部として楽しめるよう制作されている

会期終了後は、車をインスタレーションの一部として楽しめるよう制作されている

 そのため、今回は車を展示することも踏まえたインスタレーションを制作。これまで「SIGNALS」は鑑賞する作品だったが、会期中は、作品の中に入っていくことができる。
「今回はグリッドを前面と天井の二面に設置。前面が光ると物体(人)のシルエットだけが浮かび上がり、天井に光が移ると、姿がはっきりわかっていく」と、ナカモトタカミ。インスタレーションの中に身を置いたり、少し離れた場所から作品と一体になった人々を見て楽しんだり。光と音がシンクロする没入体験を味わうことができる。

画像: ギャラリーは、一面ガラス窓に。昼は暗幕がかけられているが、夜は暗幕が取られ、外からも目を引く存在 PHOTOGRAPHS: COURTESY OF NONOTAK

ギャラリーは、一面ガラス窓に。昼は暗幕がかけられているが、夜は暗幕が取られ、外からも目を引く存在

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF NONOTAK

NONOTAK Solo Exhibition 「SIGNALS Type:ESC」
会期:~ 6月25日(火)
会場:ESC GALLERY
住所:大阪府大阪市⻄区立売堀6-7-12 ESC Garage&Club内
時間 :10:00~20:00(日・月・祝休)
TEL: 06-6535-8118

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