BY JOHN WOGAN, ILLUSTRATIONS BY AURORE DE LA MORINERIE, TRANSLATED BY MASANOBU MATSUMOTO
「これまでの人生で起こった素晴らしい出来事。それは運命が導いたものもあるし、偶然起こったものもある」とベルギー出身のファッションデザイナー、ダイアン・フォン・ファステンバーグ(73歳)は話す。彼女は、長年あらゆる種類のお守りを集めてきた。
1974年にシルクジャージのラップドレスを発表して以降、彼女のブランドは世界に85店舗を持つまでに成長。そのビジネス出張中に見つけたお守りもあれば、家族や友人にもらったものもある。「お守りには、その場所や贈り主のエネルギーが宿っていると思う」。
社名は最初の夫でドイツの王族エゴン・フォン・ファステンバーグの姓から。彼との間に息子のアレクサンダーと娘のタチアナがおり、孫娘タリタは昨年4月に同ブランドが立ち上げたユースライン「TVF」のデザイナーでもある。ダイアンは「DVF賞」を創設し、女性慈善家を支援。2月には女性の生活向上に貢献した4人を表彰し、各々に5万ドルを贈った。
「エデンの園で禁じられた果物は、リンゴではなく、じつはザクロ。私の一番好きなフルーツでもあるわ。これは夫が贈ってくれたもの」

ヒスイと碧玉(へきぎょく)でできたザクロ。年代不明
「金の小さな仏塔で、おそらくタイで作られたもの。十数年前に骨董品店で購入しました。強烈なパワーを感じるわ」

ゴールド、クリスタル、マザーオブパールでできた彫刻。制作年代は不明
「大きなカメの背中で休んでいる動物たちの彫像は、十二支(じゅうにし)を表したもの。友人であるハミルトン・サウスのクリスマスギフトで、普段、机の上に置いています」

象牙の彫刻。1800年代頃