6作目となる『The Beguiled(原題)』を発表したばかりのソフィアの創造性に迫る

BY AKEMI NAKAMURA

「ハリウッドはものすごく男性が権力を持っている世界だから、そういう状況を変えていけたらいいと思うわ。さまざまな分野でもそういうことってあると思うけど、でも映画界においてはまだまだ女性の権利が認められていない。そういう中で女性として、自分が手に入れたいもののためには人一倍頑張らないといけなかったりする。女性だからということで、違う扱いを受けているとも思うから。でも、そういう状況は、私にとっては逆に、女性という視点で、男性の監督には撮れない世界観を描いて発表していきたい、という強いモチベーションにもなるの。今はより多くの女性が映画学校に通うようになったそうだし、それが将来的にハリウッドの全体図も変えてくれればいいと思う。もちろん可能な限り優れた映画を作りたいし、ハリウッドにおける女性監督の一員として、関わっていきたいとは思っているの。女性監督の中では、ジェーン・カンピオン(女性として監督賞にノミネートされたたった4人のうちのひとり)が大好きだし、それから私の現場では、若い女の子たちがすごく仕事してくれている。映画学校の生徒たちもたくさんいるのよ。できるだけ女の子の学生を雇うように心がけているの」

 彼女が言うように、ソフィアの素晴らしいところは、彼女自身がきゃしゃでスウィートで、繊細であるように、彼女が作り出す映画も、男性監督に負けないような力強さを目指した作品ではなく、むしろ、可能な限りの女性らしさを全面に出したものであることだ。そういう意味で、ハリウッド映画の中では"異端"であり、実はそこが彼女の本当の意味での才能と、芯の強さなのだと思う。しかも、デビューしたときから変わらない彼女にしかないスタイルを確立している。

「これまでにいろいろな作品を手がけてきたけど、私がいつも目指しているのは自分らしいスタイルをもつこと。でも、それってクリエイティブなことをしている人たちは誰もがそうだと思うの。それに、映画にしろ、何にしろ、それを作っている人がそこで言いたいと思っている“声”が聴こえてきたときがいちばん好きなの。そこが映画の面白いところでもあり、映画は作った人たち一人ひとりの声が聴こえてくるメディアだと思うから」

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