6作目となる『The Beguiled(原題)』を発表したばかりのソフィアの創造性に迫る

BY AKEMI NAKAMURA

 アーティストとしてやりたいことを見つけたのは、ティーンエイジャーになり映画を観始めてからだ。「ジョン・ヒューズ監督の映画は大好きだったんだけど、でも彼の映画以外で、自分のティーンエイジャーの女の子としての体験が、アーティスティックな方法で描かれた作品をなかなか見つけることができなかった。それにすごくフラストレーションを感じたの。なぜ若い女の子たちを、美しい映像や、写真や、音楽で描くことができないのかしらと。自分が共感できる映画を作りたい、自分が好きなものを映画にしたいと思った。そして映画を作り始めたときの目標は、最新作を作っている今でも変わらないままなの」

 見た目はまだ少女っぽい雰囲気が残る彼女だが、現在45歳。クリント・イーストウッドが主演した『白い肌の異常な夜』(1971年)のリメイクである最新作も、ニコール・キッドマンが出演し、ティーンエイジャーの女の子の願望だけが描かれているわけではないのが見どころだ。ソフィアにとっては大人の女性も描いた作品となっているところが新たな挑戦なのだ。

「ニコール・キッドマンと仕事ができてうれしいの。いつも仕事してみたいと思っていたから。でも、これまでの作品では、彼女にふさわしい役がなかったのよね。最新作で、彼女は女学校の教師役なの。この映画では、ニコールがいて、キルスティン・ダンストとエル・ファニングという、すべての年齢の女性が描けたというところがすごく気に入っているわ。それから、コリン・ファレル演じる男性がいることもね」。

彼女の作品には、これまで、ティーンエイジャーの女の子と父親的な存在の男性しか登場してこなかったが、この作品では、リアルな意味での男性が登場する。「男性の俳優がいたことも、この作品に惹かれた理由だった。それぞれの年代の女の子たちが、その成長具合によって男性との関わり方が違ってくるということが描けると思ったから。この作品では夫(フェニックスのボーカルであるトーマス・マーズ)が音楽も担当してくれたし、南北戦争時代が舞台の作品だということもすごく魅力的だった。それに南部のカルチャーや当時のファッションがすごく好きだったし、北部とはまったく違う、エキゾチックで私にとっては新しいものだった。物語以外で共感できる部分がすごく多かったのも、惹かれた理由ね」

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