6作目となる『The Beguiled(原題)』を発表したばかりのソフィアの創造性に迫る

BY AKEMI NAKAMURA

『ヴァージン・スーサイズ』にしても、『マリー・アントワネット』(2006年)にしても、パステルカラーの色彩から、センスのよい音楽の選び方、孤立した社会の中でアイデンティティを探そうとする作品中のキャラクターまで、まるで10代の頃の彼女の視点を通して世界を見つめているような、そんな気分にさせてくれる物語ばかりだ。

「そもそも私が映画を撮り始めたいと思ったモチベーションは、自分の思うことを代弁してくれる作品がないと思ったからだった」と彼女は語る。

「男性しか登場しない映画には共感できないし、矛盾するようだけど、私が、すごくパワフルな男性監督の世界に囲まれて育ってきたことが大きく影響していると思う」。彼女は、父親である巨匠フランシス・コッポラ監督の撮影現場を家族とともに訪れ、世界中の映画のセットの中で育ってきた。

「親族の中でも、私の世代の人たちってみんな男の子だったのよ。いとこも男の子ばかりだったし、兄も男の子だしね。私がガーリーなスタイルが好きなのは、そんなふうに男の子たちに囲まれて育ってきたというのが大きかったと思う。彼らとは、違うものを作りたかったのよね。だからファッションにしても、私の家族の趣向とは対極のものが好きだったりしたの」。ソフィアには兄がふたりいて、長男のジャン=カルロは22歳のときにボートの事故で亡くなっている。次男のロマン・コッポラ(51歳)は、ソフィアの作品の第2監督を引き受けたりしている。またいとこにはご存じのように俳優のニコラス・ケイジや、ジェイソン・シュワルツマンなどがいる。確かに男性ばかりだ。

「でも女の子ひとりだったから大事に育てられて、頑張って声を上げなくても、みんなが耳を傾けてくれるというのはあったわ(笑)。だから、自己主張が強いところがないのかもしれない」

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