ファッション界の“時の人”ヴァージル・アブローが現代アートの世界に足を踏み入れた。新しい世代を象徴するこの人物が、クリエイティブ界の地図を再編集する

BY JUN ISHIDA, PHOTOGRAPHS BY YASUTOMO EBISU

 ヴァージルを現代アートの世界へと導いたのは村上隆だ。ふたりは、ヴァージルがカニエ・ウェストのクリエイティブ・ディレクターとして村上を東京のオフィスに訪ねた際に初めて会っているが、このときの記憶は村上にはない。それから約10年たった2017年、村上が個展を開催していたシカゴ現代美術館(2019年にヴァージルも個展を開催予定)、そしてロサンゼルスで行われたストリート・カルチャーのイベント「コンプレックスコン」で再会する。ヴァージルにとって村上は「現代アートに興味をもつきっかけとなった人物」だという。「僕が生まれ育ったシカゴはアートの世界とはほど遠い街でしたが、学生時代に(村上)隆とルイ・ヴィトンのコラボ・バッグをウィンドウ・ディスプレイで見て衝撃を受けました。そこからアートとは何かを考えるようになりました」

画像: ロンドンのガゴシアン・ギャラリーでの村上隆とのコラボレーション展『future history』で展示する作品制作のため来日したヴァージル。OFF-WHITEの矢印のロゴと村上の「Flower」キャラクターを重ねるなど、両者のアイコニックなモチーフが組み合わされた PHOTOGRAPH BY KOICHIRO MATSUI

ロンドンのガゴシアン・ギャラリーでの村上隆とのコラボレーション展『future history』で展示する作品制作のため来日したヴァージル。OFF-WHITEの矢印のロゴと村上の「Flower」キャラクターを重ねるなど、両者のアイコニックなモチーフが組み合わされた
PHOTOGRAPH BY KOICHIRO MATSUI

 コンプレックスコンで意気投合し、ヴァージルにアーティストの素質を見いだした村上は、アートでのコラボレーションをもちかける。「プロフェッショナルなギャラリストが彼をどう見るかはわからないけれど、シェフが一番おいしいレストランを知っているように、僕らは鼻が利く。何が“やばい”かがわかるんです。ヴァージルはやばそうだなと思って声をかけました」と村上。ヴァージル・アブローと村上隆、このふたりは一度スイッチが入ると動きが早い。12月に村上がふたりのコラボレーション展をオファーすると、2月のオープニングに向けて、ヴァージルはメンズ・コレクションなど複数のプロジェクトを同時進行しながら作品制作を始めた。ヴァージルのスタジオのあるミラノと村上のスタジオのある埼玉・三芳の間では、時差も無視して24時間、双方のアイデアが飛び交ったという。「ヴァージルは僕を超えるくらいのワーカホリック。ずっと仕事を続けることができて、これはいい人に出会ったと思いました」と村上はうれしげに言う。ヴァージルも制作のため来日した際には、空港に着くや否や三芳のスタジオへと直行した。「僕と隆にはたくさんの共通点がある。仕事のやり方や物事の見方から集中力に決定力。ひとつの目的に向けてチームを引っ張り、最後までやり遂げるようやる気にさせるところも同じですね」

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