新年を寿ぐ「おせち」がますます進化中。日本料理のほかにも、鮨やフレンチなど名店が手がけるものも続々登場。バラエティ豊かなおせちの中から、注目の2点を紹介

BY KIMIKO ANZAI

 数ある華やかなおせちの中でも、ひときわ目を引くのが「銀座 鮨青木」のおせちだ。海老や数の子、伊達巻などが“お正月”をきちんと表しつつも、甲羅に詰められた蟹や煮蛤、小肌などが、“鮨屋のおせち”であることを物語っている。「銀座 鮨青木」店主の青木利勝は語る。
「おせちは日本人にとってのハレの日の特別なごちそう。そういった大切な時間に楽しんでいただけるよう、見た目も味もご満足いただけるものを作りたいと思っています」

 その言葉どおり、おせちには小肌の締めもの、たこの桜煮、煮はまぐりなど、“江戸前の仕事”を感じさせられるつまみの数々が詰められている。まるでモザイクのような彩り美しいおせちは、見ているだけでもよい年を迎えられそうな予感がする。

画像: 「エルミタージュ・ドゥ・タムラ」のおせち、3段(4~5人前)¥45,000(税込)より。 写真は昨年の一の重

「エルミタージュ・ドゥ・タムラ」のおせち、3段(4~5人前)¥45,000(税込)より。
写真は昨年の一の重

 また、華やかさとていねいな味で人気が高いのが、軽井沢の名店「エルミタージュ・ドゥ・タムラ」のおせちだ。昨年新しくシェフに就任した大塚哲也の伝統を踏まえながらもフレッシュな感覚が生きるフレンチのおせちは、早くも食通の話題となっている。

画像: 同じく「エルミタージュ・ドゥ・タムラ」のおせち、三段重より。(写真は昨年のメニュー) 12月30日発送、12月31日着のみ受け付け。申し込みはオンライン、電話、FAXにて PHOTOGRAPHS : COURTESY OF HERMITAGE DE TAMURA

同じく「エルミタージュ・ドゥ・タムラ」のおせち、三段重より。(写真は昨年のメニュー)
12月30日発送、12月31日着のみ受け付け。申し込みはオンライン、電話、FAXにて
PHOTOGRAPHS : COURTESY OF HERMITAGE DE TAMURA

「日本の伝統を大切にしつつ、食材に込められた“寿ぎの意味”をフレンチにきちんと反映させたいと思っています」と意欲的。確かに、「伊勢海老のムースのルーロー」や「黒鮑のシャンパン蒸し」には、“長寿”や“豊穣”の願いが感じられ、食する人を幸福に導いてくれそうだ。加えて「信州野菜のピクルス」など、地元の食材からも軽井沢らしさを大切にしていることがうかがえる。

 多彩な「おせち」が登場している背景には、「お正月はゆっくりできる数少ない機会。だからこそ、親しい人々とともにとびきりおいしいものを」というわれわれ日本人の気持ちが隠れているように思える。バラエティ豊かに進化した「おせち」は、おそらくはそんな幸福なひとときへの案内役でもあるに違いない。

「エルミタージュ・ドゥ・タムラ」
住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉820-98
営業時間:平日ランチ12:00〜13:00(LO)、ディナー17:30〜19:00(LO)
定休日:月・火曜、12月14日(金)、28日(金)
※11月30日(金)、12月7日(金)はディナーのみ営業
電話: 0267(44)1611
FAX: 0267(46)6166
公式サイト

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