輪島塗の塗師である赤木明登、銀座のフランス料理店「ESqUISSE(エスキス)」のエグゼクティブ・シェフであるリオネル・ベカ、輪島「ラトリエ ドゥ・ノト」の池端隼也、七尾「ヴィラ・デラ・パーチェ」の平田明珠。3日間限定で、彼らがひとつのコースを生み出した能登でのイベントをレポート

BY JUNKO ASAKA

画像: 7品からなるコース全体の構成をリオネル(右)が考案し、それぞれ料理のプランを練ってまた集合し…とミーティングを重ねた3人のシェフ。「共通していたのは、食材へのリスペクト。3人で話していてそれは強く感じました」と平田シェフ(中央)

7品からなるコース全体の構成をリオネル(右)が考案し、それぞれ料理のプランを練ってまた集合し…とミーティングを重ねた3人のシェフ。「共通していたのは、食材へのリスペクト。3人で話していてそれは強く感じました」と平田シェフ(中央)

 このなかなかに哲学的なテーマのもと、シェフたちは個々に「漆の器に盛る料理」のプランを練り、赤木さんは門下総出で新作を含めおよそ500点の器を準備してこの日を迎えた。ランチ、ディナーとも1回50席。地元北陸はもちろん、国内外から3日間で計200人のゲストが集まった。

 デザートまでの計7品、シェフたちによる料理には、荒々しくも豊饒な能登の自然に育まれた食材に対する愛情とリスペクトが満ち満ちていた。最初のひと皿は、3人のシェフが「生地をこねて、火を入れ、手渡す」という共通テーマでつくったアミューズの盛り合わせ、「結(ゆい)」。能登の里山に根づく、人々の互助関係“結”への敬意を込めたネーミングだ。以降、各シェフが持ち回りで手がけた前菜3品、魚、肉料理、デザートと続く。

画像: ゲストの前にアンダープレート代わりに置かれていたのは、目の前の千代浜から拾った石で型を取った、漆の「空石(からいし)」

ゲストの前にアンダープレート代わりに置かれていたのは、目の前の千代浜から拾った石で型を取った、漆の「空石(からいし)」

画像: アミューズは3人のシェフの共作「YUI 結」。能登特産の八ケ芋、ほろ苦さが特徴の能登野菜「中島菜」など、地元の特産品をふんだんに PHOTOGRAPH BY JUNKO ASAKA

アミューズは3人のシェフの共作「YUI 結」。能登特産の八ケ芋、ほろ苦さが特徴の能登野菜「中島菜」など、地元の特産品をふんだんに
PHOTOGRAPH BY JUNKO ASAKA

「親密な風景」と名づけられた平田シェフの前菜はイタリアらしい焼きリゾット――なのだが、漆の椀に盛られ、七尾の老舗昆布店「しら井」の海苔を使い、ハマグリの出汁で炊いた風味豊かな「海苔の焼きリゾット」は、国境を軽やかに超えた“能登の味”だ。添えられたのは、全国でも能登を含め3カ所だけで飼育されているという七面鳥。地元門前町のコシヒカリを飼料に育てられた七面鳥は、なめらかな肉質で香ばしいほどの旨みをたたえている。

画像: 平田シェフによる肉の前菜「親密な風景」。フランス料理のコースに漆の椀が新鮮だ。ペアリングされたのは大きな片口から平盃に注がれた能登の地酒、数馬酒造の「竹葉」。「盃や椀で、いちばん敏感な唇に触れる漆の感触と日本酒、料理のマリアージュを楽しんでいただければ」と赤木さん PHOTOGRAPH BY JUNKO ASAKA

平田シェフによる肉の前菜「親密な風景」。フランス料理のコースに漆の椀が新鮮だ。ペアリングされたのは大きな片口から平盃に注がれた能登の地酒、数馬酒造の「竹葉」。「盃や椀で、いちばん敏感な唇に触れる漆の感触と日本酒、料理のマリアージュを楽しんでいただければ」と赤木さん
PHOTOGRAPH BY JUNKO ASAKA

 

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