RECIPE BY KEIKO NAGAE, PHOTOGRAPHS BY MANA LAURENT, TEXT BY MIKA KITAMURA
なめらかでクリーミーなバヴァロア。牛乳、卵黄、砂糖で作る「アングレーズソース」に、泡立てた生クリームとゼラチンを加え、冷やし固めたお菓子。第1回は基本のバヴァロアとして「バヴァロア・ヴァニーユ」を、第2回はいちごを加えた「いちごのバヴァロア」を使った華やかなケーキ「シャルロット」の作り方を習った。第3回は、いちごの代わりにチョコレートを加えた、バヴァロア・ショコラをご紹介。チョコレート好きにはたまらない、濃厚で魅惑の味わい。砂糖を加えず、チョコレートの甘みを利用するので、甘さ控えめな大人の味。加えるチョコレートのカカオ成分の割合で、味わいも変わってくるので、好みの味のチョコレートで作ってみましょう。
材料(作りやすい分量)
牛乳 200g
卵黄40g(約2個分)
チョコレート*100g
ゼラチン(200ブルーム)**2g
生クリーム 35% 200g
*チョコレートは好みのもので。今回はカカオ成分70%のダークチョコレートを使用。カカオ成分の少ないものを使用する場合、量を少し増やしてもよい。
**ゼラチンは200ブルームを使用
下準備
・粉ゼラチンは小さなボウルに入れ、12g(6倍量)の水を加えて混ぜ、ふやかす。板ゼラチンの場合は、たっぷりの氷水に漬ける。
・チョコレートは刻む(材料の写真はすでに刻んだもの)。
作り方
1 アングレーズソースをつくる。牛乳を沸騰直前まで温める。
2 ボウルに卵黄を入れ、泡立て器で白っぽくもったりとするまですり混ぜる。
3 1の牛乳の半量を2に加 えてよく混ぜ、鍋に戻し入れる。ゴムベラで底を万遍なく混ぜながら、表面の泡が消え、トロッとするまで炊いて、アングレーズソースを完成させる。出来上がりの目安は、ヘラについたソースを指でこすってみて、跡がついたらOK。
*万が一、3のアングレーズソースにダマができてしまったら、ざるで漉した後に、ハンドミキサーでなめらかになるまで混ぜるとよい。強火で加熱し過ぎたり、鍋底をよくかき混ぜなかったりすると、ダマができやすい。
4 3が温かいうちにゼラチンを加えて溶かす。ゼラチンは熱に弱く、熱しすぎると凝固力が弱まってしまうので、余熱のあるこのタイミングで必ず溶かすこと。バニラのさやが入っていないので、今回は漉さない。
5 チョコレートをボウルに入れ、4を2〜3回に分けて加える。
6 4を加えるたびに、ヘラで中心から同じ方向によく混ぜ合わせる。4がまだ温かいのでチョコレートが溶けていく。
7 アングレーズソースを少しずつ(2〜3回に分けて)加えるほうがよく混ざり合う。水分と油分を乳化させるので、マヨネーズ作りのように少しずつアングレーズソースを加えながら混ぜていくと、やりやすい。
8 最後にハンドミキサーでなめらかになるまで撹拌する。もし固まり始めてしまったら、湯煎して温めれば大丈夫。
9 生クリームは6分立てに泡立てる。
10 生クリームを半分加え、ヘラで底からすくい上げるように全体を混ぜ合わせる。
11泡立て器に持ち換え、下からすくい上げるように全体を合わせる。泡立てた生クリームの気泡をつぶさないよう、少ない回数で全体を混ぜ合わせるのがよい。
好みの器(グラスやプラスチックカップなど)に注ぎ入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
基本のチョコレートのバヴァロアはこれで完成だが、バヴァロア・ヴァニーユ同様、フランスでは、そのままではなく、何か添えることが多いとか。ふんわり泡立てた生クリームやカカオパウダーを振ったり、削ったチョコレートやナッツ、砕いたクッキーなどを添えてデザートとして組み立てる。「家にあるものでも、いろいろ楽しめますよ」と長江さん。
仕上げ
好みの板チョコの表面をスプーンの先を当てて奥から手前に削ると、くるんと薄く削ぐことができる。もしくは、板チョコの側面にピーラーを当てて削るやり方でもよい。
削ったチョコレートはキッチンペーパーなどにのせ、カカオパウダーをふる。カカオパウダーはカカオの風味をより豊かにし、チョコレート同士がくっつかないメリットも。
削ったチョコレートをのせるだけで、立派なデザートに変身!
関連記事