BY YUKIKO HIRANO
まだまだ寒さは厳しいけれど、少しずつ春の足音が近づいている。今回は春のお弁当やランチにふさわしい菜の花のレシピ。そして、そこに合わせるのは、なんと缶に入ったナチュラルワイン! アーティスティックなラベルが目を引くこちらの高品質な缶ワインが、最近話題を集めているという。菜の花のレシピも缶入りのナチュラルワインを合わせることで、いつも以上に軽やかに、春らしさをいっそう強く感じられそうだ。「アルコール飲料のために開発された缶なので、ガラスボトルのワインと味の違いがないそうです。Djuce (ディージュース)というスウェーデンのブランドなのですが、中身はヨーロッパの自然派ワイン。今回選んだのは私も普段からよく飲んでいるつくり手、マインクラングのもの。缶ワインのレベルがここまできたのかと驚く味ですよ」(平野さん)
レシピ1:菜の花のスペイン風オムレツ
オリーブオイルで炒めた菜の花と甘い新玉ねぎをたっぷり入れた春のオムレツ。小さめのフライパンでつくり、分厚く仕上げるのがおいしさの秘訣。
<材料 3〜4人分>
菜の花150g、新玉ねぎ1/2個、卵6個、オリーブオイル大さじ2〜3、塩・こしょう各適宜
<作り方>
1 菜の花は花の部分と軸を切り分け、3センチ長さに切る。玉ねぎは薄切りにする。
2 卵は溶きほぐして塩小さじ1/2、こしょう少々を加えておく。
3 フライパンにオリーブオイル大さじ1を熱し、玉ねぎを加えてしんなりしたら、菜の花の軸、蕾の部分を順に入れて、塩少々をふって炒める。色鮮やかになったら、2に加え混ぜる。
4 フライパンに残りのオリーブオイルを加えて熱し、3を加えて中強火にし、大きくかき混ぜて、半熟状に火を通す。ふたをして弱火で5分焼く。
5 表面が固まったら、皿に滑らせるようにしてのせる。フライパンをかぶせてひっくり返す。さらに3〜4分、ふたをせずに弱火で焼く。
レシピ2:菜の花ごはんのおにぎり
鮮やかな緑色が目にもうれしい、春の息吹を感じるおにぎり。菜の花のほろ苦さが後をひく。
<材料 2人分>
ごはん茶碗3杯分、菜の花100g、塩適宜
<作り方>
1 菜の花は花の部分と軸を切り分け、塩を加えた湯で、軸、花の部分の順に入れてゆでる。冷水にとって1センチ幅に切り、水気をしっかり絞り、塩少々をふる。
2 温かいご飯に1を混ぜ、おにぎりを握る。
【今月のお酒セレクト:Djuce Meinklang Kontext 2021(ディージュース マインクラング・コンテクスト 2021)】
スウェーデンで2021年に誕生したDjuce(ディージュース)は、ヨーロッパ各地の上質な⾃然派ワインを地球環境に優しいアルミ⽸で提供するワインブランド。ガラスボトルを循環性の高いアルミ缶に変えることで、CO2排出量を大幅に削減できるという研究結果が出ているそう。「Djuceの缶のデザインは様々な現代アーティストによるもの。人々の缶に対する固定概念をアートの力で変えていくという取り組みだそうです。手軽に持ち運べるし、ワインの飲み方も変わりそう。今年の春は缶ワインを持って外へ出かけてみたいですね」(平野さん)
問い合わせ先/メイベルインターナショナル株式会社 TEL.050-5240-5412
ずっと身近に置きたい一冊──平野由希子さんの新著が発売!
平野さんが、これまでの書籍では伝えきれなかった料理の原点をまとめた新著『ma cuisine おいしさの引き出し方』が好評発売中。「春夏秋冬野菜のことを思い続けている」「肉料理はつくれば作るほど、上手くなる」といった心に響く言葉とともに、野菜料理、肉料理、揚げ物、魚料理など約70品がずらり。家庭のキッチンでとびきりおいしく作るコツ、さらに調理のしやすさも追求した極上のレシピは、時代の流行に左右されない一生もの。まるで食材とお料理へのラブレターのような、ずっと身近に置いておきたい一冊だ。
平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
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