RECIPE BY KEIKO NAGAE, PHOTOGRAPHS BY MANA LAURENT, TEXT BY MIKA KITAMURA

焼き立てがおいしい小さなおつまみ、グージェール。ブルゴーニュではキールと呼ばれるカクテルと合わせるのが定番だが、シャンパーニュや白ワインと合わせても
グージェールとは、チーズの入った塩味の小ぶりなシューのこと。ブルゴーニュ地方のアペリティフは、「キール(地元の白ワインと、カシスのリキュールのカクテル)とグージェール」に決まっている。
「レストランではアペリティフにグージェールがよく供されます。ご紹介するレシピは、生地自体にすりおろしたナツメグを加えて作りましたが、シュークリームを作るときに生地を取り分けておき、チーズを加えればイチから作るより簡単です」。
味のバリエーションは広く、ナツメグの代わりに、ガーリックパウダーやクミンパウダー、セロリ塩などを加えてもいいし、小麦粉の量を減らしてカカオを加えればチョコレート生地のグージェールに。生地に最後に加えるチーズは好みのものを。コンテやゴーダ、パルミジャーノ・レッジャーノなどがおすすめ。今回は、角切りのコンテを加え、ゴーダをすりおろして上にのせている。最後に振るのは、パプリカパウダーや黒胡椒、唐辛子粉、胡麻、山椒粉などのスパイス類をお好みで。焼き上がったらカットして、サワークリームやサーモン、野菜などを詰めてアミューズ・グール(突き出し)にしてもいい。
「きれいな円形に焼き上げなくていいんです。ごつごつしているほうが、カリッ、しっとりと両方の食感が楽しめておいしいです。焼き立てをおつまみにしてください」。
材料(10~15個分 ※大きさによる)

水 50g
牛乳 50g
無塩バター 45g
塩 2g
グラニュー糖 2g
薄力粉 60g
卵 100g(2個)
ナツメグ 適量
好みのチーズ(約5㎜角) 40~50g
好みのチーズ(すりおろし) 適量
パプリカパウダー、黒胡椒など好みのスパイス 適量
■下準備
・薄力粉は振るう。
・卵はボウルに入れて溶きほぐす。
・天板にベーキングシートを敷く。
■作り方

1 鍋に水、牛乳、無塩バター、塩、グラニュー糖を入れる。そこにナツメグをすりおろして加える。中火で温め、混ぜながらバターを溶かし、沸騰したら火からおろす。シュー生地は力をしっかり入れてまとめていかないといけないので、混ぜる道具は木ベラがおすすめ。
2〜7 シュークリームの作り方のシュー生地と同様に生地を作る。

8 7の生地に角切りのチーズを加えて混ぜる。

9 絞り袋(口金をつけない)に8を入れ、天板に直径2㎝ほどの大きさに絞る。

10 生地の表面に溶き卵(分量外)を塗る。塗りながら、刷毛で表面をなめらかに整える。

11 削ったチーズをのせ、半分はパプリカパウダー、残りに粗挽き黒胡椒をのせる。この状態で冷凍可能。冷凍する場合は、ベーキングシートごと冷凍庫へ。固まったら密閉容器に入れて保存する。190℃のオーブンで20分焼き、180℃に下げて10分焼く。焼成中はオーブンの扉を開けないこと。焼成の途中で開けると、膨らんでいた生地がしぼんでしまう。
長江桂子(ながえ・けいこ)
学習院大学を卒業後、ソルボンヌ大学に留学。ル・コルドン・ブルーでディプロマを取得。「ラデュレ」を経て、ロンドン「スケッチ」のオープニングスタッフに。2003年ヤニック・アレノ率いる「オテル・ムーリス」、2004年「オテル・ランカスター」シェフパティシエ、2008年パリ「ピエール・ガニェール」シェフパティシエを歴任。2012年、ガストロノミー界のコンサルティング会社「AROME」をフランスで設立。パリを拠点に、世界各地にて菓子ブランドや店舗の立ち上げ、商品開発、技術指導、監修などを手がける
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