今回のリストは、音楽界のレジェント細野晴臣デビュー50周年記念展、写真家・篠山紀信の集大成的写真展。そして美術家・杉本博司が手がけた「江之浦測候所」で初めて開催される現代アートのプロジェクト

BY MASANOBU MATSUMOTO

『篠山紀信展 写真力』|Gallery AaMo

画像: 山口百恵のポートレイト

山口百恵のポートレイト

 2012年より7年にわたって、北海道から沖縄まで全国32会場で開かれてきた篠山紀信の『篠山紀信展 写真力』。異例のロングランとなったこの巡回展のラストエキシビションが、東京・水道橋のGallery AaMoで始まった。

 三島由紀夫から、ジョン・レノンとオノ・ヨーコ、山口百恵、宮沢りえ、またAKB48や広瀬すずまで、会場を埋めるのは、昭和から平成、令和までのスターたちの顔。本展のために、新たに加わったポートレイトもある。「写真は“時代の映し鏡”。その時代が生んだ面白い人、物、ことを一番近くまで寄って撮影するのが、もっともいい写真。それを、私は時代と並走しながら撮り続けてきた」と篠山は話す。

画像: 展示会場の<BODY>のブースの様子。力士からダンサーの姿、またヌードまで、あらゆる肉体美を篠山は捉えてきた

展示会場の<BODY>のブースの様子。力士からダンサーの姿、またヌードまで、あらゆる肉体美を篠山は捉えてきた

画像: 歌舞伎など、日本の伝統文化の現場にも篠山のカメラは入り込んできた。左側は、歌舞伎座での公演中に“シノラマ”で撮影した作品

歌舞伎など、日本の伝統文化の現場にも篠山のカメラは入り込んできた。左側は、歌舞伎座での公演中に“シノラマ”で撮影した作品

 この『写真力』展は、50年以上写真界の第一線を走ってきた彼の回顧展として企画されたもの。篠山が時代に並走しつつも、その間、どのような新たな表現方法に挑んできたかも、展示作品からわかる。たとえば、80年代、経済成長で急速に姿を変える東京の都市風景を捉えようと、複数台の大判カメラを使った篠山は、独自のパノラマ撮影“シノラマ”を生み出した。この“シノラマ”を、歌舞伎公演や著名人のポートレイトにも応用し、またいち早くデジタルを駆使した撮影にも挑んでいる。

 篠山は、「なかには素直にカメラを向けられない出来事もあった」と告白する。2011年の東日本大震災だ。「常に、写真は“時代の写し鏡”だと言ってきて、周りからも撮るべきだと言われた。でも被災地に行く気になれないし、何を撮っていいのかわからない。結局、震災から50日後くらいに現地に行って、被災者の方の顔だけを撮った」。細かい指示は一切せず、“レンズのほうを見てください”とだけ言って撮影したそのモノクロのポートレイトシリーズは、本展の最後のブースに静かに並ぶ。50日後の被災者の方たちの複雑な気持ちが写真から滲み出る。それも、篠山の写真力だ。

画像: 3.11から約50日後、篠山が被災地で撮影したポートレイト PHOTOGRAPHS BY MASANOBU MATSUMOTO

3.11から約50日後、篠山が被災地で撮影したポートレイト
PHOTOGRAPHS BY MASANOBU MATSUMOTO

『篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN The Last Show』
会期:~10月27日(日)
会場:Gallery AaMo
住所:東京都文京区後楽1-3-61
開廊時間:10:00~18:00(入館は閉廊の30分前まで)
料金:一般 ¥1,400、大学・高校生 ¥900、中・小学生 ¥400
電話:03(5800)9999
公式サイト

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