公共性をテーマにした建築家・隈研吾の展覧会、草間彌生の近作を見せるソロエキシビション。そして、ニューヨークを拠点に活動し、近年再評価が進む美術家・久保田成子の回顧展。開催中の3つのアート展の見どころを紹介する

BY MASANOBU MATSUMOTO

『隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則』|東京国立近代美術館

 東京国立近代美術館で開催している『隈研吾展』は、「公共性」がテーマだ。世界各地にある建築家・隈研吾の作品のうち、美術館、大学、駅、商店街など、公共性の高い68の建築物をピックアップし、模型や写真などで紹介。また隈の建築がどう使われ、どのように人や街と関係を結んでいるかを捉えた映像作品、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の会場となる国立競技場の模型も展示する。

画像: 展示風景より。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の会場となる国立競技場のスタディ模型も並ぶ © KIOKU KEIZO

展示風景より。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の会場となる国立競技場のスタディ模型も並ぶ
© KIOKU KEIZO

画像: オドゥンパザル近代美術館(トルコ) 2019 © ERIETA ATTALI

オドゥンパザル近代美術館(トルコ) 2019
© ERIETA ATTALI

“建築は公共に対してどのような価値を与えられるか”、“(市民や都市空間、自然に対して)開かれた建築とはどのようなものか”といった問いは、元来モダニズム建築の大きな課題でもあった。本展の展示物には、そういった課題、時代の要請に向き合いながら、モダニズム建築を乗り越えていく隈のビジョンが端的に示されている。その上で、隈がいま思う“新しい公共性”とは何か?ーーそれにフォーカスしているのが、第2会場で紹介されている「東京計画2020(にゃんにゃん) ネコちゃん建築の5656(ゴロゴロ)原則」だ。

 隈が注目したのは、動物のネコ。コロナ禍によりソーシャル・ディスタンスが求められ、オフィスをはじめ建物の価値が転換する中、隈は、都市空間の隙間もうまく利用しながら、適切に個体間の距離をとり、共生するネコに“新しい公共性”のヒントを得た。そして、自宅近くに暮らす2匹の半野良のネコにGSPを付け、行動を記録・分析し、ネコ目線で都市の地図を描くことを試みた。

画像: 隈研吾×Takram 東京計画2020:ネコちゃん建築の5656原則 2020 © KENGO KUMA AND ASSOCIATES © TAKRAM

隈研吾×Takram 東京計画2020:ネコちゃん建築の5656原則 2020 
© KENGO KUMA AND ASSOCIATES © TAKRAM

 展示スペースでは、そのリサーチの成果を3DCGアニメーションやテキストで紹介。公共空間と私的空間の間のグラデーション上に暮らすネコに学ぼうというのが隈のメッセージであるが、人間の都合で作り上げてきた都市を見直すこと、人間中心主義的な考え方を改めることが叫ばれている昨今において、極めて興味深い展示物でもある。

隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則
会期:〜9月26日(日)
会場:東京国立近代美術館
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
開館時間:10:00〜17:00 当面の間、金・土曜は20:00まで
(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(ただし7月26日、8月2日、9日、30日、9月20日は開館)、8月10日(火)、9月21日(火)
観覧料:⼀般¥1,300、大学生¥800、高校生以下無料
※混雑緩和のため、オンラインでの事前予約をお勧めしています
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト

※ 新型コロナウイルス感染予防に関する来館時の注意、最新情報は公式サイトを確認ください

※ 掲載商品の価格は、特に記載がないかぎり、「税込価格」で表示しています。ただし、2021年3月18日以前に公開した記事については「本体価格(税抜)」での表示となり、 掲載価格には消費税が含まれておりませんのでご注意ください。

 

This article is a sponsored article by
''.