公共性をテーマにした建築家・隈研吾の展覧会、草間彌生の近作を見せるソロエキシビション。そして、ニューヨークを拠点に活動し、近年再評価が進む美術家・久保田成子の回顧展。開催中の3つのアート展の見どころを紹介する

BY MASANOBU MATSUMOTO

『Viva Video! 久保田成子展』|国立国際美術館

 第二次世界大戦後、ニューヨークに渡り、国際的な活躍をした女性アーティストは、草間彌生やオノ・ヨーコばかりではない。大阪・国立国際美術館の『Viva Video! 久保田成子展』でフォーカスされている久保田成子もそのひとりだ。

画像: 《デュシャンピアナ:自転車の車輪1、2、3》と《三つの山》の展示風景(原美術館、1992年) PHOTOGRAPH BY YOSHITAKA UCHIDA COURTESY OF SHIGEKO KUBOTA VIDEO ART FOUNDATION; © ESTATE OF SHIGEKO KUBOTA

《デュシャンピアナ:自転車の車輪1、2、3》と《三つの山》の展示風景(原美術館、1992年)
PHOTOGRAPH BY YOSHITAKA UCHIDA COURTESY OF SHIGEKO KUBOTA VIDEO ART FOUNDATION; © ESTATE OF SHIGEKO KUBOTA

 日本の大学で彫刻を学び、中学校の美術教員として働きながら、作家活動を行なっていた久保田。彼女の渡米を後押ししたのは、60年代に起こった前衛芸術運動との出会いだった。現代舞踏家であった叔母を通じて、オノ・ヨーコや作曲家・一柳慧と交流し、また小杉武久らの「グループ音楽」、高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之が結成した「ハイレッドセンター」などの芸術運動に心酔。64年、さらなる可能性を切り開くべくニューヨークに渡った。

 ニューヨークでは、前衛芸術グループ「フルクサス」のメンバーとして制作活動を展開。そこでビデオアートの第一人者であり、のちに夫となるナムジュン・パイクからビデオを学び、ビデオと彫刻を融合した「ビデオ彫刻」なる新しいスタイルのアートを発表する。これが高く評価され、現代美術のシーンで最も権威あるアートの祭典「ドクメンタ」などの展覧会に参加。ニューヨーク近代美術館(MoMA)にも彼女の作品が収蔵されている。

画像: 《スケート選手》1991-92年 久保田成子ヴィデオ・アート財団蔵(新潟県立近代美術館での展示風景、2021年) PHOTOGRAPH BY YUKIHIRO YOSHIHARA © ESTATE OF SHIGEKO KUBOTA

《スケート選手》1991-92年 久保田成子ヴィデオ・アート財団蔵(新潟県立近代美術館での展示風景、2021年)
PHOTOGRAPH BY YUKIHIRO YOSHIHARA © ESTATE OF SHIGEKO KUBOTA

画像: (写真左)《メタ・マルセル:窓(花)》(部分)1983年 PHOTOGRAPH BY PETER MOORE COURTESY OF SHIGEKO KUBOTA VIDEO ART FOUNDATION; ©ESTATE OF SHIGEKO KUBOTA (写真右)《ナイアガラの滝》1985/2021年 久保田成子ヴィデオ・アート財団蔵(新潟県立近代美術館での展示風景、2021年) PHOTOGRAPH BY YUKIHIRO YOSHIHARA © ESTATE OF SHIGEKO KUBOTA

(写真左)《メタ・マルセル:窓(花)》(部分)1983年
PHOTOGRAPH BY PETER MOORE COURTESY OF SHIGEKO KUBOTA VIDEO ART FOUNDATION; ©ESTATE OF SHIGEKO KUBOTA
(写真右)《ナイアガラの滝》1985/2021年 久保田成子ヴィデオ・アート財団蔵(新潟県立近代美術館での展示風景、2021年)
PHOTOGRAPH BY YUKIHIRO YOSHIHARA © ESTATE OF SHIGEKO KUBOTA

 本展では、美術家のマルセル・デュシャンへのオマージュである彼女の代表作「デュシャンピアナ」シリーズをはじめ、ビデオ彫刻や映像作品、制作のためのスケッチなども展示。“ナムジュン・パイクの妻”と形容されることが多く、その功績が充分に評価されていなかったとも言える久保田。彼女は、世界を舞台に何を考え、どのようにオリジナルな表現を探求したのかーー。その姿を正面から捉える貴重な機会になるはずだ。

『Viva Video! 久保田成子展』
会期:〜9月23日(木・祝)
会場:国立国際美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
開館時間:10:00〜17:00(金・土曜は21:00まで)
休館日:月曜(ただし、8月9日、9月20日は開館)、8月10日(火)
観覧料:一般¥1,200、大学生¥700、高校生以下無料
電話:06(6447)4680
公式サイト

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