ちまたで評判の化粧品の背景には、人知れぬ開発の苦難がある。なぜすごいのか、どうすごいのか? 誰よりもそれをいちばんよく知る開発者に迫るインタビュー連載。第9弾は「UZU MOTE MASCARA

BY MIYUKI NAGATA, PHOTOGRAPHS BY MEGUMI TOMITA

 リニューアルに時間がかかったのには、他にも大きな理由がある。「昔のマスカラは長くなって、カールして、ボリュームが出て、にじまなくて、ダマにならなければいいという、機能寄りの製品でした。しかし今、世の中の人がマスカラに求めているのは、雰囲気や世界観だと僕は思う。例えばフェザーっぽくてふんわりしたまつ毛になりたいとか、シャープでシャキッとしたまつ毛がいいとか。ファッションに近い感覚かもしれません。これまで機能だけで語られていたマスカラに、そういう世界観を入れたかった。その仕上がりの雰囲気を作るのに、最も時間がかかりました」

 地まつ毛そのものが伸びたような仕上がりの「VOL.6」、ひと塗りでくっきりしたシャープなまつ毛を演出する「VOL.7」……。表現したい世界観に合わせて、使用する原料はもちろん、そのパフォーマンスを最も引き出すブラシの毛の配合比率を変えるなど、それぞれ設計して組み合わせる。この気が遠くなるような作業を、新たに発売する11種類すべてにおいて行った。

画像: 目指す印象を実現するため、素材や形状を吟味。左から、「VOL.6」はカーブがまつ毛に自然にフィット。「VOL.7」はシャープに仕上がるコーム形状を採用。「VOL.9」は多量のマスカラ液をひと塗りでまとえるように計算されたフォルム。「MICRO」は短いまつ毛や下向きまつ毛にも塗りやすい。「カーキ」はカラーが美しく発色するように考えられた形状

目指す印象を実現するため、素材や形状を吟味。左から、「VOL.6」はカーブがまつ毛に自然にフィット。「VOL.7」はシャープに仕上がるコーム形状を採用。「VOL.9」は多量のマスカラ液をひと塗りでまとえるように計算されたフォルム。「MICRO」は短いまつ毛や下向きまつ毛にも塗りやすい。「カーキ」はカラーが美しく発色するように考えられた形状

 5色のカラーマスカラがラインアップされているのも大きな特徴だ。「もともとお湯オフができるカラーマスカラは発色がよくなかった。フィルムタイプのマスカラに通常使われるポリマーは、もともと少し曇りがあります。黒ならいいのですが、カラーマスカラの場合はパキッと発色しない。だからどうしても、パキッと発色して、かつ、お湯で落ちるカラーマスカラがつくりたかった」。今回のリニューアルでは、クリアなWPFilm™を開発して鮮やかな発色を実現することがかなった。

 カラーマスカラにこだわったのは、まだこの世の中にないものをつくりたいという情熱だけではなかった。「お手頃な価格設定にもこだわりました。デザインやクオリティ、発色のいいものが手に取りやすい価格ならばこそ、初めて人は“遊ぶ”ことができると思うんです。初めての色にチャレンジすることで新しい自分に出会えて、もっといろんなことにチャレンジしたくなる。このカラーマスカラが、そんなきっかけになることを願っています」

 長さやボリューム、機能面に注目しがちなマスカラ。しかしUZUが見つめているのは、よりエモーショナルな価値だ。「UZU」はその誕生のときから、“UNFRAME THE BEAUTY ”というメッセージを世界に発信している。
「世界中の人が自分を否定することなく、好きなように楽しんでほしい。子どもの頃はコンプレックスなんて感じずに育ってきたのに、あるときから“きれいの正解”みたいなものが、自分のまわりに存在している。それは誰かがつくったフレームでしかないと思うんです。ビューティには力があります。世界を大きく変えることはできないとしても、誰かの日常をほんの少し、温かくするきっかけになれたらうれしい」。その挑戦はさらに大きな渦となって、世界へと広がっていくだろう。

問い合わせ
UZU BY FLOWFUSHI
フリーコール:0120-963-277
公式サイト

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