『ポケモンGO』配信スタート後、もっとも想定外だったこととは

BY SATOKO HATAKEYAMA, PHOTOGRAPHS BY SATOKO IMAZU

画像: 『ポケモンGO』は5つのワールドレコードを打ち立てた

『ポケモンGO』は5つのワールドレコードを打ち立てた 

「“ポケモノミクス”には4つの要素があるんです。2016年7月6日にオーストラリア・ニュージーランドで配信開始された『ポケモンGO』は一週間で全世界的な流行となったので、『ポケ・デミック』(=ポケモン・パンデミック)と呼ばれています。つまり、我々が予想していたよりも遥かに速いスピードで広がったということがまずひとつ。2つめは、SNSとソシャゲ(ソーシャルゲーム)が十分に浸透した環境が加速をさらにパワフルにしたということ。それまでにも世界的なソシャゲはありましたが、『ポケモンGO』はわずか一週間で世界的な広がりに達しています。日本ローカルのほかのソシャゲの収益も下がるどころか、GO配信後にはそれらの数値が伸びたのも大きな特徴で、パイを食い合うどころか異なる領域のゲームにもその熱量が伝播したことがわかります」

 1998年から2000年にかけて、ポケモンは北米、欧州・豪州で大流行し、当時はインフルエンザの流行に例えられて『ポケ・フルー』と言われた。今回の爆発的な広がりは、すでに世界中でポケモン人気の素地が出来上がっていたからこその強い感染力に加え、SNSとソシャゲなどの情報サービスのプラットフォームの成熟が拡大するスピードの後押しをしたということになる。

「3つめは、『ポケモンGO』の開発・運営を手がけるナイアンティック社が「ユニコーン」の基礎を持っていたということ。ユニコーンとは、企業価値が1,000億円以上の非上場のベンチャー企業をさすコトバですが、Googleからスピンアウトしたナイアンティックは誕生から「世界にスケールする」という哲学を内包していたので、配信から二週間でユニコーン企業の仲間入りを果たしました。最後の4つめは、インフォメーション・テクノロジーの進化のいい頃合いで『ポケモンGO』がスタートしたということ。もしこれが3〜4年前であれば位置情報も今より正確ではなかったし、スマホの電池の消耗も早かった。GPSの精度もスマホのスペックもストレスを感じずに遊べるようになっている現在だからこそだし、そういう意味では、運が良かったというか、タイミングがドンピシャリだったというのはありますね」 

 社会現象とまでいわれるほど『ポケモンGO』が瞬く間に世界中を席巻した背景には、様々な要因がうまく重なっていたのだともいえる。では、そもそも『ポケモンGO』のアイディアが生まれたきっかけは?という質問をぶつけると、嘘のような信じがたい答えが返ってきた。

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