アメリカで広がる、スタートアップ志向や働き方の改革、フェミニズム。その流れを受けて、女性をサポートする女性限定ビジネスが増加中だ。なかでも人気を集めている「ザ・ウィング」に潜入取材した

BY KATHERINE ROSMAN, PHOTOGRAPHS BY HILARY SWIFT, TRANSLATED BY AKANE MOCHIZUKI (RENDEVOUS)

ピンク色の世界

 ゲルマンは、2013年、スコット・ストリンガーがニューヨーク市の会計監査官になった選挙で、報道官として働いていたことがある。レナ・ダナムが制作したTVドラマ『Girls』の主人公のひとり、マーニーのキャラクターの元になったのも彼女だ。ゲルマンとダナムは生粋のマンハッタン生まれ。ゲルマンの母親がダナムのセラピストであったことから、ふたりは思春期に出会い、オーバリン大学時代に親交を深めた。彼女たちは若くしてすでに成功者として知られており、マスコミは熱心にふたりを取り上げてきた。

画像: ソーホーのザ・ウィングのオープニングイベントでは、有権者向けの登録ブースも設置されていた

ソーホーのザ・ウィングのオープニングイベントでは、有権者向けの登録ブースも設置されていた

 マーニーの宿敵オードリーとして、ゲルマン自身も『Girls』に何度か出演している。ファッションフォトグラファーのテリー・リチャードソンとのロマンスも、さまざまな媒体で取り上げられた。『Vanity Fair』は、彼女をベスト・ドレッサーのひとりに選んだ。『VOGUE』はゲルマンと音楽サイト『Genius』の創設者イラン・ゼコーリィの結婚式を誌面で取り上げた(結婚式でレナ・ダナムはブライズメイドを務めた)。

 ゲルマンは、かつてソーホーとワシントンD.C.にオフィスを構える政治コンサルティング会社、SKDKニッカーボッカー社で働いていた時に、ザ・ウィングのアイデアを思いついた。ブルックリンにある自宅から通勤していた彼女は、ミーティングの合間に服を着替えたりシャワーを浴びたり、くつろげる場所があったらいいのにと考えたのだ。当初は、その場所を“リフレッシュ”と名付けようと思っていたという。

「でも“リフレッシュ”って、ネーミングとしては最悪よね」。先週、カサーンと一緒にピンク色の会議室にある丸い大理石のテーブルに向かって座りながら、ゲルマンは言った。「腟洗浄用の商品名みたいな響きだわ」。彼女たちふたりのパートナーシップは、カサーンの夫の提案で生まれたものだ。
「実際にそういう名前の商品があった気がする」とカサーン。彼女は以前、いわゆるブティック・フィットネス業界で働いていた。クラスパス社で事業開発のディレクターとして、またフィットネス・スタジオを経営するSLT社で働いていた経験もある。事業運営と顧客管理の経験があるカサーンが事務管理といった裏方をやり、パートナーのゲルマンが看板役を担当することになった。

画像: オープニングパーティでセルフィーをするダニエラ・サバルヴァロ、マッケンジー・ジョーンズ、アナ・レプリー

オープニングパーティでセルフィーをするダニエラ・サバルヴァロ、マッケンジー・ジョーンズ、アナ・レプリー

 初期の投資家リストには、SoulCycleの設立者であるジュリー・ライスとエリザベス・カトラー、かつてギルト・グループとマーサ・スチュワート・リビング・オムニメディアに籍を置き、現在はBBGベンチャーズの業務執行社員を務めるスーザン・リンなどが名を連ねる。
「私たちは、オードリーのことも、彼女が言う『女性は、安全かつ美しい場所で、ほかの女性たちと一緒にいることを望む』という信念も気に入ってるんです」と、リンは電話取材で答えてくれた。「オードリーは『スターバックスのトイレで着替えるのはもううんざりなんです』とも言っていたわ」

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