BY JOHN WOGAN, ILLUSTRATIONS BY AURORE DE LA MORINERIE, TRANSLATED BY IZUMI SAITO
マンハッタン在住のジュエリーデザイナー、アナ・コーリがアンティークの薬瓶に魅了されたのは、サンパウロで過ごした幼少期のこと。医師であった祖父が持つ納屋の一角に、古い薬棚があった。そこに並ぶ美しいボトルに心が奪われたときのことを、コーリは37歳になった今も覚えているという。以来、中世から1950年代といった最近まで薬局の棚に並んでいた、アンティークの薬瓶を蒐集してきた。厚い琥珀ガラ スやデルフト陶器、リモージュ磁器など、それら60個あまりのジャーとボトルには、かつては動植物由来の処方薬が収められていた。
「祖父から譲り受けた30個ほどは、今も故郷のブラジルに置いてあるわ」

(左)ガラスボトル/ウルグアイ、Clorur. Potas.(塩化カリウム)、1950年頃
(右)ガラスボトル/ウルグアイ、Formol(ホルムアルデヒド)、1950年頃
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「こういうジャーは花瓶として使っています」

陶器製ジャー/イタリア、Mel Vulgare(はちみつ)、年代不詳
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ガラスボトル/ポルトガル、Lin. Camph. Co.(ショウノウとコットン シードオイル)、年代不詳
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