PHOTOGRAPHS BY MASANORI AKAO, STYLED BY MAKI OGURA, HAIR & MAKEUP BY KEITA IIJIMA(MOD’S HAIR), EDITED BY HIROKO NARUSE, TEXT BY MASANOBU MATSUMOTO

軽やかに舞う2匹の蝶を、選び抜かれたダイヤモンドと卓越した技術で表現。独創的なオープンワークの蝶は、クリップとしてもつけられる。
“フライング バタフライ ネックレス”<K18WG、ダイヤモンド計26.37ct>(参考商品)
“コスモス イヤリング ミディアムモデル”<K18WG、ダイヤモンド計3.13ct>¥5,450,000
ヴァン クリーフ&アーぺル ル デスク(ヴァン クリーフ&アーペル)
フリーダイヤル:0120-10-1906
ドレス¥554,000
クロエ カスタマー リレーションズ(クロエ)
Tel. 03(4335)1750
朝吹真理子(Mariko Asabuki)
作家
「家族が持つ大切なジュエリーを身につけるのも、いいものだなと思います。長い時間をかけて生まれてきた石を、祖母がつけ母がつけ、たまたま私が預かってつけている。人の命より物の命のほうが長い。そのことを感じる瞬間がジュエリーにはあります」
朝吹さんの最新作『TIMELESS』は、 恋愛感情なく結婚したうみとアミ、息子のアオ、そしてアミの両親を主人公にした現代家族の物語。3世代分の時間を過去や未来が今に混在しているような独特の時制で描く。それは古典に触れて育った朝吹さん独自の実感でもある。「昔から絵巻物に見られる“異時同図法(いじどうずほう)”が好きで、最も美しいと思うのが俵屋宗達の『蓮池水禽図(れんちすいきんず)』。宗達は蓮の花が泥の中から咲いて散るまでの4日間を一枚の絵の中に表しました。あるひとつの時間を切り取るのではなく、ひとつの空間に全体の時間が偏在している─そういう時間を小説で描きたかった」
小説は奇跡、とも話す。「最後まで完成するかわからないし、できたとしてもそれは偶然。次回作も、これまでと同じように自然に生まれていくのかなと思います」
朝吹真理子
1984年生まれ。2009年デビュー作『流跡』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、2011年『きことわ』で芥川賞を受賞。2018年、最新作『TIMELESS』を発表(すべて新潮社)