時間とは何か――。古今東西、“時”の不思議に端を発して生まれた本は数多い。時計も、しかり。時をめぐる名品と名作の出合いをご覧あれ

TEXT BY NORIO TAKAGI, EDITED BY AKANE WATANUKI PHOTOGRAPHS BY MASANORI AKAO, STYLED BY YUKARI KOMAKI, HAIR & MAKEUP BY MOMIJI SAITO(EEK), MANICURE BY NAOKO MATSUO(UKA), MODEL BY YU KAINO

今いる“ここ”の時間は?

画像: ロングニット¥69,000 ハルミ ショールーム(フォート) TEL. 03(6433)5395 ブラウス/スタイリスト私物

ロングニット¥69,000
ハルミ ショールーム(フォート)
TEL. 03(6433)5395
ブラウス/スタイリスト私物

 視点は、定点カメラのようにある部屋の一角から動かない。始まりは2014年。読者は、ページをめくるたびに前へ後ろへとワープする各時代で起きる、この部屋で暮らす家族の物語を眺める。グラフィック・ノヴェル『HERE』は、ひとつの部屋の中で時が行き来する物語だ。そして、この「アイコン フュオリジリ」は、直径49mmのケースの中で4つの時間が交錯する。居並ぶ4つのダイヤルには、それぞれリュウズが備わり、どれも自由に時間の設定が可能。その機能を、メカニケ・ヴェローチの技術者はひとつの機械式ムーブメントで実現してみせた。リチャード・マグワイアが、ひとつの視点で壮大な時間の物語を描き上げたように。さらに時代を紀元前30億50万年から22175年まで長大に動かして、ページによっては読者は“ここ”の時間を見失う。アイコン フュオリジリは、ひとつのダイヤルをイエローに染め、今いる“ここ”の時間を知らせる。

アイコン フュオリジリ
<49mm/チタン、自動巻きムーブメント、クロコストラップ>
¥880,000
ロング スロウ ディスタンス(メカニケ・ヴェローチ)
TEL. 03(6447)1311

画像: 『HERE ヒア』/国書刊行会 リチャード・マグワイア著、大久保譲訳

『HERE ヒア』/国書刊行会
リチャード・マグワイア著、大久保譲訳

長き年月を飛び越える

画像: ニット、シャツ/スタイリスト私物

ニット、シャツ/スタイリスト私物

 タイムスリップという設定は、古くからSF小説でたびたび用いられてきた。作者は、いかにして時空を飛び越えるのか頭をひねる。ロバート・A・ハインラインが、この『夏への扉』でとった手段は、“冷凍睡眠保険”だった。人生に絶望した主人公は、愛猫と一緒に冷凍されて30年間の眠りにつく。彼らが冷凍されたのは、1970年。現実の世界ではその前年、アメリカのNASAがSF小説顔負けの歴史的偉業を成し遂げた。アポロ11号による、人類初の月面着陸である。そのとき、宇宙飛行士たちの腕には、オメガの「スピードマスター」があった。この腕時計は、その50周年の記念モデルだ。『夏への扉』では30年後の未来がストーリーの舞台となる。対してスピードマスターの記念モデルは、9時位置に宇宙飛行士が月面に降り立つ瞬間を、さらに裏側には月面に記された人類初の足跡を写し取り、1969年へと身につける人をタイムスリップさせる。

スピードマスター アポロ11号 50周年記念リミテッド エディション
<限定6969本。42mm/SS、手巻きムーブメント、SSブレスレット、ベロクロス トラップ付属>
¥1,030,000
オメガお客様センター(オメガ)
TEL. 03(5952)4400

画像: 『夏への扉』/講談社ルビー・ブックス(英語版ルビ訳付) ロバート・A・ハインライン著

『夏への扉』/講談社ルビー・ブックス(英語版ルビ訳付)
ロバート・A・ハインライン著

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