青春時代の真ん中で着ていたベーシックなアイテムたちがこの秋冬シーズン、モードの最先端でリバイバル。“あの頃”の面影を今も宿す喫茶店を舞台にお届けしよう

BY TOMOKO KAWAKAMI for TEA ROOM, PHOTOGRAPHS BY MASANORI AKAO, STYLED BY YUKARI KOMAKI, HAIR BY TAKAYUKI SHIBATA(Signo), MAKEUP BY Fusako(Ota Office), MODEL BY HANAKA

あの日に帰りたい
シャツにタイにチェックのスカートは永遠の定番。花も嵐も踏み越えて、酸いも甘いも嚙み分けた今こそ、モードの力で自由自在に時間旅行。

画像: ブラウス¥150,000、スカート¥190,000、タイ¥24,000、ソックス¥23,000、ローファー¥200,000、椅子に置いたトレンチコート¥470,000、バッグ¥337,000、アイウェア¥38,000、イヤリング¥49,000/グッチ グッチ ジャパン クライアントサービス フリーダイヤル:0120-99-2177

ブラウス¥150,000、スカート¥190,000、タイ¥24,000、ソックス¥23,000、ローファー¥200,000、椅子に置いたトレンチコート¥470,000、バッグ¥337,000、アイウェア¥38,000、イヤリング¥49,000/グッチ
グッチ ジャパン クライアントサービス
フリーダイヤル:0120-99-2177

こゝろ/本郷

 昭和の香りを色濃く残した喫茶店「こゝろ」。カレーで有名な新宿中村屋発祥の跡地にて1953年に開店した。店名は、もともとは本屋を営んでいた初代オーナーの娘さんが夏目漱石の小説から拝借したとか。「うちの主人が二代目です。以前は、多くの従業員を抱えて忙しく働いていました。隣でバーの営業もしていたので、喫茶店とバーのどちらかが開いていると言う24時間営業の店だったんですよ。でも今は私と主人、そして息子の3人でのんびりと営業しています。本郷もすっかり様変わりしてしまってね」とは店のママ、阿部みつ子さん。一人息子さんは、勤めていたホテルを辞め、現在は「こゝろ」を手伝っているそうだ。

画像: 人懐っこくて、面倒見の良い店のママ、阿部みつ子さん。「学生から社会人になっても通ってきてくれる常連さんたちがいるのはうれしいですね」

人懐っこくて、面倒見の良い店のママ、阿部みつ子さん。「学生から社会人になっても通ってきてくれる常連さんたちがいるのはうれしいですね」

 本郷通りに面した昭和感たっぷりのレトロな喫茶店には、今も昔も東大にゆかりのある人々たちが通ってくる。「店内に飾ってある人形や絵はほとんどお客様からの贈り物。私が何もしないから、お客様たちがお店を飾ってくれるんです(笑)。お客様には、自宅だと思って寛いで欲しい。お客様はみんな家族ですからね」と話すママの人柄を慕って、長く通う人々も多い。取材に伺った日も、これから夏季休暇で実家に戻ると言う学生がママの顔を見がてら、店に顔を出したところだった。

画像: サンドウィッチ¥530、オレンジジュース¥480 シンプルながら、具材とマヨネーズと食パンの組み合わせが絶妙でしみじみおいしい

サンドウィッチ¥530、オレンジジュース¥480
シンプルながら、具材とマヨネーズと食パンの組み合わせが絶妙でしみじみおいしい

「喫茶店でカレーや生姜焼きなんかの食事を出すようになったのも、うちの店は早かったんじゃないかしら。とにかく以前の本郷は旅館もたくさんあって賑やかだったし、食べ盛りの若者が溢れていたからね。今はうちの店もメニューを減らしましたけど、出来るだけお客さんのリクエストには応えるようにしてます」。昔懐かしい赤いウィンナーがご飯の上に並ぶ、定番メニュー「ウィンナーライス」は、野菜不足の学生たちのためにキャベツの増量も可能だ。「私が骨折して店を閉めていた時は、東大の先生たちがお運びを買って出てくれて昼間の営業を再開できました」。東大の関係者、そして本郷の人々に愛される名喫茶は、この街と一緒に年を重ねてきた。店の2階にある大きな窓から四季折々の本郷通りの景色を眺めながら。

画像: 本郷通りの銀杏並木に面した店舗。レトロな店構えも印象的だ

本郷通りの銀杏並木に面した店舗。レトロな店構えも印象的だ

「こゝろ」
住所:東京都文京区本郷6-18-11
営業時間:月~金/11:00~19:00、土/11:00~18:00
定休日:日曜・祝日
電話:03(3812)6791

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