BY OGOTO WATANABE
1. フードエディター 北村美香さんおすすめ|「田中農園」
「ここのお野菜は我が家のライフラインです」とフードエディター&ライターの北村美香さんが信頼を寄せるのは、茨城・八郷にある田中農園。「私のお茶の先生がパトリス・ジュリアンさんとお知り合いになり、その縁でお稽古にいらして仲良くなったのが久美子さん。当時、パトリスさんの厨房で料理人として働いていた彼女は、農業をやりたいと茨城の有機農家のもとへ。研修先の先輩でもある田中さんと知り合い、やがて結婚。ふたりで農業を始めるということで、野菜の取寄せを始めてみました」。ふたりの人柄を知るにつれ、このひとたちがこんなに真面目に作っているなら、安全面も信頼できると確信したのだと北村さんは言う。
「最初は応援の気持ちもあったのですが、二年ほどたつと格段に野菜が美味しくなったんです。味が濃く、みずみすしく、香りも素晴らしい。家族も、田中さんの野菜が届くのを心待ちにするようになりました」。農業の技術の向上に加えて、土が豊饒さを取り戻したことも理由ではないかと北村さんは考える。「それらはもちろん、田中さんたちの努力によってなされたものです」
「春先は人参にふわっふわの葉っぱがついてくることがあり、その葉をかき揚げにするのが毎年恒例の楽しみに。夏にかけて届く葉野菜は、サラダをつくりながら思わず葉をちぎってつまみ食いしてしまうほど、香り高くいいお味。いつも野菜が届いたら水洗いしてキッチンペーパーに包んでジプロックに入れるのですが、その作業の合間にもつまみ食いしてしまいます」
田中農園は2014年から加工部門「ペトラン」も立ち上げ、パンや焼き菓子なども手がけるようになる。「久美子さんが焼くパンはダイナミックで男前、よく焼き込んであり国産小麦の豊かな風味が漂います。私は特にカンパーニュが好きですが、ベーグル、イングリッシュマフィンもおいしいし、グラノーラも素晴らしい。土地に根差したような深い豊穣の味わいは、叶うなら毎日食べたいくらい」
問い合わせ先
田中農園・ペトラン
公式サイト
2. フードエディター 北村美香さんおすすめ|「錦自然農園」
北村さんが夏にかけて心待ちにしているのがもうひとつ、熊本の球磨郡錦町から届く桃だ。「長年の大切な友人が嫁いだ先の『錦自然農園』の桃が、暑い季節は何より楽しみ。桃は一般的には農薬をたくさん使って栽培するのですが、こちらはギリギリまで農薬を減らし、無肥料で育てて完熟収穫。丁寧に手をかけて、本来の自然で豊かな風味を凝縮した桃を実らせています」。錦自然農園の桃を取り寄せするようになり、種類によってさまざまな風味を楽しめることにも驚いたそう。北村さんのお気に入りは、収穫期前半、6月初旬あたりの『ちよひめ』だそう。「清々しい甘みがなんとも印象的。フレッシュなので皮ごと食べちゃうひともいます。私は皮ごとコンポートにしていただくのも好きですね」
錦自然農園では桃のほか、葡萄、太秋柿、苺も同様に手間をかけて栽培する。定植後無農薬・無肥料で育てた同農園の苺がまるごとごろごろと入ったジャムも絶品、と北村さん。「無添加コチュジャンや鉄火味噌も風味豊か。志を同じくするご近所さんが作るお米やお茶もサイトで扱っています。無農薬の『天の上紅茶』もおすすめです」
問い合わせ先
錦自然農園フルーツストア
TEL. 090(1340)3990<農園主・内布知典>
公式サイト
3. メイクアップアーティストMichiruさんおすすめ|「ノリランカ農園」
透明感と品格、モード感のあるメイクに定評があるメイクアップアーティストのMichiruさん。美の担い手であるMichiruさんは健康は美の礎であり、食べるものが果たす役割の大切さを熟知している。「ノリランカ農園さんの自然農で育てられた野菜が大好きです。岡山の山のなかで、畑を耕さず、農薬や肥料を使わない方法で野菜作りをされています。私は年に一度、『未来につなぐ自然食研究会』の井谷公美さんにお味噌づくりを習っているのですが、そこでこちらの農園のことを教えていただき、もう3年間、愛用しています」
ノリランカ農園は、自然の理を知る百姓になることを志し、穀物や野菜作りに励む原田宜子さんが営む農園だ。山の合間に田畑が広がり、羊が草を食み、鶏が歩き回る。ここでは生きとし生けるものが皆、ゆったりとあるがままいられるようにと手が尽くされている。「届いた野菜は生き生きとして、輝いています。自然のリズムに合わせて、作物そのものが持っている力で育っていくように、愛情こめられて作っているのが伝わります」とMichiruさん。
問い合わせ先
ノリランカ農園
norilanka@gmail.com
4. アロマセラピスト 濱 美奈子さんおすすめ|「産直野菜ぷちトマト&ぷちトマトBio」
当ウェブサイトの「ハーモニー占星術」を手がける占星術アロマテラピー®研究家の濱 美奈子さんは、植物の持つ様々なエネルギーを研究している。そんな濱さんは大阪・池田でお店を営む『産直野菜ぷちトマト&ぷちトマトBio』から届く野菜を愛用。「オーガニックや減農薬の野菜を主に扱う八百屋さんです。大分にある自社農園だけでなく、熊本、宮崎、島根、山口など各地で質のよい野菜を作っている小さな農家さんとつながり、安全でおいしい野菜や食材を吟味し、扱っています」
九州出身のオーナー夫妻は、濱さんの会社員時代の同期だそう。「開店当時からもう9年愛用していますが。安全安心なだけでなく、野菜の味が濃厚で、自然のエネルギーに満ちているのが感じられるのも愛用の理由です。皮ごと食べられるのも、うれしい。葉野菜もみずみずしく、葉はふんわり、茎はシャキッ!」野菜の味が力強いので、自然と調理はシンプルに。「先日、友人を招いたときも、届いたナスの煮物をドンと作りましたが、出汁で煮て、味付けは少々の醤油と塩だけ」
実店舗では野菜のほか、ビオワインや自然酒、アレルギー対応食なども扱う。お客のニーズを的確に把握し、充実の品ぞろえだ。一方で、新型コロナウイルスの感染が心配される状況下では、お客やスタッフの健康を守るための施策や工夫を細やかに丁寧に行う。飲食店の営業が難しいなか、生産者を応援する努力も怠らない。「小回りが効くからこそ、作り手やお店のまっすぐな思いを、まっすぐな形で、必要なひとにすぐ届けられる。そんなお店の姿に、新しい時代への希望も感じます」と濱さん。
問い合わせ先
産直野菜ぷちトマト&ぷちトマトBio
TEL&FAX. 072(750)0831
公式サイト
5. 編集スタッフWおすすめ|「シトロンエシトロン」
編集スタッフWが自宅用にもギフトにも愛用するのは、シトロンエシトロンの柑橘類。「一昨年、本誌の特集で愛媛の大谷農園を取材したのが縁で、折に触れて取寄せています」。取材が行われたのは、西日本豪雨から一か月後のこと。大谷農園では化学肥料や農薬を使わず、自然の仕組みを活かす農法をずっと模索し、実践してきた。「そういう風に育てた木は強いんです。地面にしっかり根を張っている」という大谷さんの言葉と、甘夏の鮮烈な香りが忘れられない、とW。大谷農園の柑橘を自らの店でも用いるシェフの生江史伸さんが、「大谷さんの果物は、甘みや酸味のバランスがどうこうなどの言葉では表現したくない。エネルギーがすごい。そんな感じなんです」と語っていたのも強く印象に残っているそうだ。大谷農園の果実やジュースをファーマーズマーケットやオンラインで扱い、紹介するのがシトロンエシトロンだ。
「ステイホーム期間では、こちらの『おうちで作ろう! BOX』が大活躍。ここのレモンの果実は宝石のようにきれいで、素晴らしい香気は、まさに“トパーズ色”。キュっと絞って炭酸水で割れば気分サッパリ、疲れもとれる。レモンゼリーやチーズケーキなどお菓子作りに使うと、これ、売り物になるんじゃ?と思える風味に仕上がる。唐揚げにもパスタにもひと絞りで、ふだんの料理も味が格段アップ。サマーキングや甘夏も目が覚めるフレッシュなおいしさで、そのまま食べてよし、たっぷり絞ってジュースにしてよし、しかも皮まで食べられる。同梱のレシピを見て皮をグツグツ煮てピールもこしらえました。皮をお風呂に入れて香りを楽しめるのも無農薬ならばこそ」。“ビタミンCで免疫力アップを”と、会いに行けない親類や友人にも送り、喜ばれたそうだ。
問い合わせ先
シトロンエシトロン
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6. 編集スタッフKおすすめ|「サンチョク」
「日々の食材はサンチョク頼り!」と言うのは編集K。「無農薬や減農薬の野菜のほか、安心で質のよいお肉や魚を長崎から届けてもらえる。酪農品、粉や麺類、調味料ほか、ふだん必要な食材はほぼこちらでそろうのもありがたいです。レタスはふわりと柔らかで、サクっと軽やかな口当たり。これズッキーニ? と思うほどのドヤ顔で立派なキュウリもいい。新鮮で元気いっぱいの野菜や卵が届くのが週末の楽しみです。肉も風味が濃くておいしい。九州らしい顔ぶれの魚がそろう“長崎産・干物不揃いセット”もリピートアイテムです」
“生産者と消費者の架け橋に”を企業理念とするサンチョク。できるかぎり無農薬栽培を目指し、農薬を使用する場合や環境に人に優しいものを選び、情報は常に開示する。除草剤は使用せず、土地消毒を行わない。放射性物質などによる土壌汚染リスクを最低限に抑え、検査体制も確立。食の安全を真摯に守り、生産者と消費者ともに安心できるネットワークを築き、支えることを目指している。
「食の安全に真剣に向き合ってくれているのがありがたい。でも、ガチガチでなくおおらかな雰囲気が漂うところが気に入っています。同梱されるレシピ付きチラシも、手描きのイラストがいい味だしていて、楽しみ。ネットで注文するのですが、そそっかしい私が個数など間違えて電話をすると、応対がこれまた親切で。先日の“母の日”の週末は、段ボールをあけると野菜の包みの上にピンクのカーネーションが添えられていました。あったかい気持ちも一緒に届けてもらっているように思います」
問い合わせ先
サンチョク
フリーダイヤル:0120-47-8318
公式サイト