TEXT & PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
東山七条「フォーシーズンズホテル京都」
今やオフシーズンはないのでは?と言われるほど、1年を通して旅行者で賑わう京都。人気のレストランや割烹のなかには、数ヶ月前後まで予約が埋まっているという店もあり、思い立って急きょ京都に来たり、旅はノープラン派という方は、ディナー探しに困ることも。
そんな時に心強いのが、急な予約や食の多様性にも柔軟に対応してもらえるホテルの存在だ。
「フォーシーズンズホテル京都」では、今年4月、1階のダイニングが「エンバ・キョウト・チョップハウス」として名前も新たにオープンした。
料理長・セバスチャン・バルクデスは、アルゼンチン出身。17歳で料理の世界へ飛び込み、「シャングリ・ラ ドーハ」ではアルゼンチン料理レストランの料理長に就任。その後も、「マンダリン グリル」や「マンダリン オリエンタル クアラルンプール」、「シャングリ・ラ ザ・フォート」で腕を磨き、世界的にも有名な肉職人”ダリオ・チェッキーニ”が手がけるステーキレストラン「SLSバハマール」でも料理長を務めた。
アルゼンチンには、肉の塊を炭や薪で豪快に焼き上げる伝統的なアサードと言われるバーベキュー料理があり、セバスチャンにとってもアサードはDNAに刻まれている郷土料理であり、レストランでも、炭火焼きをスペシャリテにしている。
炭火焼きのなかでも特にオススメなのが熟成肉のステーキ。「日本では、鮮度いい状態で牛肉が仕入れられるのがすばらしい」と、セバスチャン。厨房に熟成室を設け、フレッシュな牛肉を仕入れ、自ら管理してエイジングを行っている。
約30日熟成された鹿児島県黒毛和牛サーロインは、350℃近い炭火の高温で表面をこんがり焼いた後、温度を下げ、4分ほどじっくり火入れする。
熟成することで柔らかさが増し、余分な水分も抜けることで旨みが凝縮。噛むほどに、牛肉のおいしさがジワリと広がっていく。
さらに肉料理だけでなく、シーフードや野菜料理もそろえ、食の多様性に寄り添ったメニュー展開に。例えば、カリフラワーを大胆にまるごと炭火で焼いた料理は、前菜としてみんなでシェアするほか、ベジタリアンの方は、一人でひと皿メイン料理として楽しむことも。
海外の方は日本人以上に食のスタイルがさまざまなことが多いが、ベジタリアンやペスカタリアンも一緒になってテーブルを囲むことできる。
「フォーシーズンズホテル京都」は、寺社仏閣が建ち並ぶ東山に位置し、敷地内には平家物語にも記された800年以上の歴史ある池泉回遊式庭園「積翠園」を有している。
ガラス張りの「エンバ・キョウト・チョップハウス」からも、庭園を一望でき、ライトアップされたテラスでいただくディナーも気持ちいい。
夜は特に海外の宿泊客の利用が高めに。料理もポーションが大きく、ダイナミックな盛り付けも、外国っぽく、海外のステーキハウスを訪れているような
気分に浸れるのも魅力。
ホテルクオリティーのファインダイニングながら、堅苦しさがなく、和やかムードで、おなかも気持ちも満たされていく。
フォーシーズンズホテル京都「エンバ・キョウト・チョップハウス」
住所:京都市東山区妙法院前側町445-3
営業時間:11:30〜14:30、ディナー17:30〜22:00(21:00LO)
定休日:無休
TEL. 075-541-8288
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