RECIPE BY KEIKO NAGAE, PHOTOGRAPHS BY MANA LAURENT, TEXT BY MIKA KITAMURA
夕食前に飲みものとおつまみで、家族や友人とのおしゃべりを楽しむアペリティフタイム。「フランス人はアペリティフタイムが大好きです。おつまみはお腹にたまらない軽いものを。塩味のパイは定番ですね。フランスの家庭では冷凍パイシートを利用して気軽に焼いています」。
冷凍パイシートを用意すれば、キッチンにあるスパイスやハーブ、市販のペーストなど身近な材料で簡単に作ることができる。パイの形もさまざまあり、それぞれの味で形を変えれば、さらに楽しい!
例えば、「サクリスタン」と名付けられたねじりパイ。この言葉はキリスト教会の「聖具室の担当者」を意味する。彼らがねじれた杖を持っていたことに由来するとか。棒状のものは、フランス語でマッチ棒の意味の「アリュメット」と呼ばれている。今回、この2種類のパイには、白ごまとパプリカ、パルメザンチーズ&黒胡椒、クミンシードを。「七味唐辛子や山椒粉、好みのドライハーブ、黒ごまでもいいですね。パルメザンチーズがなければ、シュレッドタイプのチーズでもいいんですよ」。ほかにソーセージをくるっと巻いたり、トマトとチーズをのせてカナッペ風にしたり。
「パイ生地はすぐにだれるので、やわらかくなって扱いが難しいと感じたら、途中で冷凍庫にすぐに入れましょう。生地が締まったら作業再開。焼きたて熱々をいただきましょう」
まずはパイシートの扱いのコツと、「サクリスタン」と「アリュメット」を習います。
■冷凍パイシートの下準備
1 ベーキンシートをパイシートの2倍ほどの長さに切る。その上にパイシートをのせ、両面に打ち粉をする。
2 約2㎜厚さになるよう、めん棒で両方向に伸ばす。
3 一方向に伸ばし終えたら、生地の下に手を入れて、生地とベイキングシートの間に空気を入れると生地がくっつかない。
4 方向を変えて伸ばす場合、ベーキングシートごと90度回転すれば簡単。ベーキングシートを敷かない場合や、生地を移動するときは、写真のようにめん棒に巻きつけるとよい。
5 薄く伸ばしたら、ベーキングシートごと上にラップをかけて冷蔵庫で30分から1時間ほど休ませる。
6 1〜5で下準備をした生地をベーキングシートごと冷蔵庫から出し、使う量をカットする。仕上がりの大きさを決めて、定規で測りながら切るとよい。
■サクリスタンとアリュメット
【材料】
冷凍パイシート
白胡麻
パプリカ
パルメザンチーズ
黒胡椒
クミンシード
海塩
1 生地に水を刷毛で塗る。
2「チーズと黒胡椒のサクリスタン」を作る。パルメザンチーズをグレーダーで生地に削りかけ、黒胡椒を挽く。
3 上にベーキングシートをのせ、めん棒を軽く当てながら生地にチーズを接着させる。
4 上のベーキングシートを取り、1cm幅に切る。
5 左右の端を持ち、ひねって形を作り、天板にのせる。
6 「クミン風味のサクリスタン」を作る。生地に刷毛で水を塗り、クミンと塩をふる。そのまま1cm幅に切り、5と同様にひねる。
7 「アリュメット」を作る。生地に刷毛で水を塗り、半分にパプリカを振り、半分に白ごまをたっぷりのせる。塩を全体に振る。
8 1cm幅に切る。
9 ベーキングシートを敷いた天板に6、7、8をのせ、170℃のオーブンで25分焼く。サクリスタンは、天板にのせたら、両端を指先で天板に押し付けると真っ直ぐきれいな形に焼ける。
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