ルールやスタイルに捉われず、ただ好きなものを愛し、花や緑を愛でる。“自分らしさ”を貫いた素敵な生き方が息づくスタイリスト古牧ゆかりさんの部屋をレポート。第15回はクリスマスとお正月の“しつらえ”にフォーカス。簡単に作れる、古牧さん流のクリスマス・スワッグの作り方も動画で公開!

BY EMI ARITA, PHOTOGRAPHS BY YUKARI KOMAKI

クリスマスは、手作りスワッグとヤドリギで華やかさを添えて

画像: クリスマスは、手作りスワッグとヤドリギで華やかさを添えて

 これまで世界55カ国を旅して集めてきた器やファブリック、ギャラリーのように壁を埋め尽くすアート、季節の花を使ったアレンジメント.......と、いつ訪れても素敵な古牧さんの部屋。
 クリスマスからお正月にかけての年末年始は、どんなふうにインテリアを楽しんでいるのかを訊ねてみると、「部屋中にクリスマスデコレーションをしたり、一般的なお正月飾りを用意するといったことはありませんが、クリスマスにはスワッグ、お正月には松を使ったアレンジメントと、生花を使った“しつらえ”でムードを楽しんでいます」と古牧さん。

 クリスマスシーズンに入るとまず取り掛かるのが、スワッグ作り。「作り方もとても簡単です!」とのことで、今回は特別に、作り方も教えてもらった。
「用意する花材は、スギなどの針葉樹系の枝物と、アクセントに添える赤い実のついた植物や松ぼっくりなど。その時々に用意できるものでOKです」

画像: 今回、古牧さんが用意したのは、針葉樹のブルーアイス、ヒムロスギ、ヒバ、赤い実のウインターベリー、黄色のタワシのような花が特徴的なバンクシア、茶色い実のブラッチーシトン。そのほかに、輪ゴム、麻ひも、リボンを用意する

今回、古牧さんが用意したのは、針葉樹のブルーアイス、ヒムロスギ、ヒバ、赤い実のウインターベリー、黄色のタワシのような花が特徴的なバンクシア、茶色い実のブラッチーシトン。そのほかに、輪ゴム、麻ひも、リボンを用意する

「まずは花材をテーブルに広げて、スギなど土台となる枝物の不要な枝や葉をカットしながら手もとで束ねていきます。形が決まったら一旦輪ゴムで束ねて、残りの花材や実を加えます。最後に、引っ掛けループになる麻ひもを輪ゴムの上から結び、その上からリボンを巻いたら完成です。
生花なのでそのうち枯れてしまいますが、クリスマスシーズン限定の特別感がありますし、飾っている間は、部屋中に充満するフレッシュな香りも楽しめます。枯れるまでは霧吹きで水をかけてあげるといいですよ」

画像: フラワーアレンジメントを作る際には、枝の方を自分側に向けて束ねていくのが一般的だが、スワッグの場合は逆。葉や実のある方を自分側に向けて、吊るした際の姿をイメージしながら作業を進めていく

フラワーアレンジメントを作る際には、枝の方を自分側に向けて束ねていくのが一般的だが、スワッグの場合は逆。葉や実のある方を自分側に向けて、吊るした際の姿をイメージしながら作業を進めていく

▼古牧さん流、クリスマス・スワッグの作り方▼

画像: - YouTube youtu.be

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 クリスマスシーズンはスワッグだけでなく、ヤドリギも欠かせない存在だと古牧さん。「ヤドリギはシンプルにリボンだけを巻いて、ドアに吊るしています。“幸福の木”とも呼ばれている通り、ヤドリギの下を通ると、なんだかいいことが訪れそうな、幸せな気持ちになれるんです」

画像: 今年はオレンジの実のヤドリギを用意。水色のリボンもおしゃれ

今年はオレンジの実のヤドリギを用意。水色のリボンもおしゃれ

 スワッグやヤドリギを飾った部屋で過ごすクリスマス当日も、特別なことはしないそうだが「クリスマスの時期だけに聴く、ドイツの少年合唱団のCDを流しながら、シャンパンをあけるのが毎年のお楽しみです。美しい少年たちの声に包まれながら、静かに過ごす。そんな大人のクリスマスを楽しんでいます」

画像: 20年以上、クリスマスの時期だけに聴いているという、ドイツのCD Die Stuttgarter Hymnus-Chorknaben, Leitung: Gerhard Wilhelm『Deutsche Weihnacht』(Bayer Dacapo, 1987年)

20年以上、クリスマスの時期だけに聴いているという、ドイツのCD

Die Stuttgarter Hymnus-Chorknaben, Leitung: Gerhard Wilhelm『Deutsche Weihnacht』(Bayer Dacapo, 1987年)

お正月は、松を使ったアレンジメントで新年を祝う

 クリスマスが終わったら、今度はお正月のアレンジメントの準備へ。「いわゆる“正月花”ではないですが、新年をお迎えするアレンジメントなので、松は必須で、あとはその時々に入手できる花や枝物をあわせています」

画像: 2024年のアレンジメント。大王松に、アネモネやスイートピーなど白い花を合わせて、新年の希望の光をイメージしたようなアレンジに

2024年のアレンジメント。大王松に、アネモネやスイートピーなど白い花を合わせて、新年の希望の光をイメージしたようなアレンジに

画像: 2023年のアレンジメントは、松と南天をあわせて。南天のダイナミックな葉の動きを活かしているのも素敵

2023年のアレンジメントは、松と南天をあわせて。南天のダイナミックな葉の動きを活かしているのも素敵

 本連載のvol.5で紹介した通り、いつもセンス抜群のアレンジメントで部屋を彩っている古牧さんらしい、おしゃれな“正月花”とともに、のんびりと過ごすのがお正月のお楽しみだそう。
「お雑煮だけ作って、昼間から日本酒やにごり酒をあけて、だらだらと、贅沢な時間を満喫しています」

 忙しい日々だからこそ、がんばりすぎない。でも、季節のムードは大切にする。そんな古牧さんの年末年始の“しつらえ”は、クリスマスもお正月も、ついついがんばりすぎてしまうという人にもインスピレーションをくれるだろう。
 今年はクリスマスの準備はまだ.....という人も、ぜひ古牧さん直伝の手作りスワッグで、ホリデームードを演出してみてほしい。

古牧ゆかり
スタイリスト/ビジュアルディレクター。ファッション誌で活躍後、渡仏。パリに暮らす。帰国後『エル・ジャポン』のファッションエディターに。現在はフリーでファッション、インテリアのスタイリングや動画制作のビジュアルディレクションを手がける。本誌ファッション特集でも活躍中。
公式サイトはこちら

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