気鋭のデザイナーとアーティストが、それぞれの創作スタイルや互いのクリエーションへの想いを語り合う

BY AIMEE FARRELL, PHOTOGRAPHS BY MEL YATES, TRANSLATED BY JUNKO HIGASHINO

画像: コンテンポラリーアート・ギャラリー「ヘップワース・ウェイクフィールド」外観

コンテンポラリーアート・ギャラリー「ヘップワース・ウェイクフィールド」外観

アンダーソン
君の言うとおり、ものすごいスピードで変化していくのがファッションなんだ。僕は毎日リサーチしつづけているよ。何かにのめり込む行為を次々繰り返していると言ったらいいかな。あるものに熱中すると、そこから派生して別の何かにはまって、さらにほかの何かに夢中になっていく。それがどんどん広がって、しまいには永遠に終わらない会話のようになる。ときどき、もっと時間の余裕があるアートの世界がひどくうらやましくなるよ。

ハミルトン
そうね、アートは全身全霊を注ぎ込むものだからね。私は「ケトルズ・ヤード・ハウス」のコレクションを理解するために全精力を傾けたわ。この展覧会の準備には18カ月も費やしたのよ。

アンダーソン
18カ月はすごい! 僕はひとつのウェアのコレクションを30日で仕上げて、一年につき12回のコレクションを発表しているんだ。こんなふうだから、結局ファッションは奥深さのない、表層的なものになってしまう。僕らはもっと深みにはまりたいのに(笑)。

ハミルトン
かといって私が一心不乱に研究する学者みたいなわけではないのよ(笑)。

アンダーソン
そうかな、結構近いと思うけど。それに君の展覧会にはとても鮮やかな“流れ”があるんだ。こんな流れを感じさせるのは至難の業なのに、君は簡単なことのように成し遂げている。僕たちも扉の向こう側で展覧会の準備を進めているところだけど、なかなか難しいよね。一般的に美術館側は予定を立ててあれこれ進行したがるんだけど、僕は即興が好きだし。

ハミルトン
私も即興が好きだわ。展覧会ってパフォーマンスに似た部分があるじゃない。私は準備にものすごく時間をかけても、作品の配置は最後の最後にするようにしている。何でもゆっくり進めているように見えるだろうけど、作品を配置するのだけは早いのよ。あるとき突然にすべての作品と気持ちが通じ合って、それぞれを最適な場所にすんなり置けるようになるの。

アンダーソン
自然さは大事だよね。僕のファッションショーでいえば、モデルたちがランウェイを歩き終えて、舞台裏に戻ってはじめて完成したことになる。つまり人々にショーを観てもらってようやく最終目的地にたどり着くのさ。ショーを経てようやくコレクションに命が吹き込まれるんだ。

ハミルトン
私にとっても人々の反応はいちばん大切なのよ。展覧会の空間自体がテアトルみたいだって思うし。でも私は、あなたほど作り込んでいないし、演出もしていないけど。

アンダーソン
ノーッ!(と言って手で顔を覆う)

ハミルトン
素材の使い方については、あなたから多くを学んだわ。コレクションを見せてもらったのも、すごくためになった。さっき“アートは全身全霊を注ぐもの”って言ったけど、私は何かを創作するとき、あるひとりの人物を想像しているの。だから、先日のロンドン・ファッションウィークであなたのショーを見たとき、ひとりの女性がテーマになっていたのがわかって、なんだかうれしくなったのよ。際立ったアイデアだったわ。

アンダーソン
あのショーではヘアスタイルを統一したんだ。僕はね、君の作品を見ていると、〝凝縮力〞に圧倒される。あらゆる要素が凝縮されて、たったひとつのエッセンスとしてまとまっているから。君の作品はひとつだけで、400種類のファッションスタイルに匹敵する濃度があるよ。

ハミルトン
それはうれしいわ、ありがとう。

 

This article is a sponsored article by
''.