「シャンパーニュも食材のひとつ」――。そんな斬新なアイディアから生まれたスペシャルなイベント“Krug Encounters”。クリュッグ6代目当主に、クリュッグの新しい楽しみ方を聞いた

BY KIMIKO ANZAI, PHOTOGRAPHS BY MIDORI YAMASHITA

 そもそも、この“単一食材”の概念は、ブドウに対するクリュッグのリスペクトの精神から生まれたものだった。オリヴィエ氏はこう語る。「これは、“クリュッグ アンバサダー”のシェフたちとのなにげない会話から生まれたものでした。彼らは、食材について知り尽くしたプロフェッショナル。そして、私たちはブドウについて深く知っている。エキスパート同士、ひとつの食材を深く掘り下げたら、どんな楽しみに出合えるのか――。そんな好奇心から始まったものだったのです」

画像: ディナーのあいだ、「秋の鈴虫の鳴き声のように、音楽も自然の音のように楽しんでほしい」というcoba氏の粋な演出で、屋外の能舞台ではずっと演奏が続いていた。「あさば」の和のしつらいの中、和食と音楽がクリュッグのシャンパーニュと溶け合い、まさに五感を刺激する一夜に

ディナーのあいだ、「秋の鈴虫の鳴き声のように、音楽も自然の音のように楽しんでほしい」というcoba氏の粋な演出で、屋外の能舞台ではずっと演奏が続いていた。「あさば」の和のしつらいの中、和食と音楽がクリュッグのシャンパーニュと溶け合い、まさに五感を刺激する一夜に

 畑には“テロワール”があり、それは畑ごとに様々な個性を見せる。食材を絞ることで、そこにまた新たなシャンパーニュと食のストーリーが生まれるのではないかと考えたという。オリヴィエ氏は続ける。

「“Krug Encounters”は、この楽しみをさらに内的に広げてくれるものだと私は考えます。ここに音楽が加わることで、さらにシャンパーニュが美味しく感じられるようになるのです。たとえば、今日はcobaさんのアコーディオンに加え、木管楽器の演奏がありましたが、特にファゴットと『クリュッグ グランド・キュヴェ』の酸味とのマリアージュはすばらしかった。シャンパーニュは五感で楽しんでこそ、さらにおいしくなると再認識しました」

画像: “締め”はクリュッグ氏と多田氏による「ちらし寿司ミルフィーユ仕立て」。海老の甘みが「クリュッグ グランド・キュヴェ エディション 166」によって引き立てられている

“締め”はクリュッグ氏と多田氏による「ちらし寿司ミルフィーユ仕立て」。海老の甘みが「クリュッグ グランド・キュヴェ エディション 166」によって引き立てられている

画像: 「鮨処 多田」主人の多田幸義氏(左)。 日本でも数少ない”クリュッグ アンバサダー”のひとりだ。「クリュッグ」が大好きで、「修業時代、年末にクリュッグとローストビーフを楽しむのが最高の贅沢でした。シャンパーニュは鮨をはじめ、あらゆる料理に合う偉大な飲み物だと思います」。自身の店にもシャンパーニュを多種置いているが、「クリュッグは特別扱いです」

「鮨処 多田」主人の多田幸義氏(左)。
日本でも数少ない”クリュッグ アンバサダー”のひとりだ。「クリュッグ」が大好きで、「修業時代、年末にクリュッグとローストビーフを楽しむのが最高の贅沢でした。シャンパーニュは鮨をはじめ、あらゆる料理に合う偉大な飲み物だと思います」。自身の店にもシャンパーニュを多種置いているが、「クリュッグは特別扱いです」

 また、今回、Krug Encountersのディナーで最も盛り上がったのが、オリヴィエ氏と多田氏の“共同作業”による「ちらし寿司ミルフィーユ」だった。多田氏は語る。
「ちらし寿司は、海老や卵があれば世界中どこでも作れると私は思っています。元来、家庭の味ですから、“クリュッグ家のちらし寿司”があってもいい。世界中でクリュッグが飲まれるように、ちらし寿司も世界的なものになってくれたらうれしいですね」

 多田氏の言葉を受け、オリヴィエ氏が続けた。
「“単一食材”というテーマを難しく考える必要はありません。これは究極の遊びなのですから(笑)。シャンパーニュは自由に楽しむことが大切。私たちが造っているのは“歓び”です。五感で、それを感じてください」

画像: 今回のテーマ「Fish」をより深く知るべく、イベントの翌朝は「あさぱ」から車で40分ほどの沼津漁港へ。日本で暮らした経験のあるクリュッグ氏は日本の魚に詳しいが、今が旬の太刀魚など、市場に並ぶ魚を見て「日本は本当に魚種が豊富」と感嘆しきり。港には通常300種の魚が水揚げされるという

今回のテーマ「Fish」をより深く知るべく、イベントの翌朝は「あさぱ」から車で40分ほどの沼津漁港へ。日本で暮らした経験のあるクリュッグ氏は日本の魚に詳しいが、今が旬の太刀魚など、市場に並ぶ魚を見て「日本は本当に魚種が豊富」と感嘆しきり。港には通常300種の魚が水揚げされるという

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