BY JUNKO ASAKA, PHOTOGRAPHS BY MANA MIKI
梅に水仙、ちょっと早い桜の便り。春の訪れを感じる今月、平野さんがピックアップしてくれたのは、スペインのイベリア半島でおもに栽培されている白ぶどう「アルバリーニョ」でつくられたワイン。アルバリーニョはガリシア地方のワイン原産地呼称のひとつ「リアス・バイシャス」を代表する品種であり、日本でつくられるワインとしてはまだまだ珍しい。だが、「このワインの作り手、フェルミエのある新潟とガリシア地方の風土には共通するところがたくさんあるんです」という。
<今月のワイン|フェルミエ アルバリーニョ
エルマール マセラシオン 2017 >
「日本のワインづくりで難しいのは湿度。地中海気候やカリフォルニアと違って湿度の高い日本でワイン用のぶどうを栽培するのは湿度との戦いです。そんななか、湿潤で比較的日照時間が短いリアス・バイシャスと新潟の気候はかなり似ています。その新潟のワイナリー、フェルミエは日本でアルバリーニョを作り始めた、いわばさきがけ的なワイナリー。アルバリーニョという決してメジャーではない品種に、よくぞ目をつけられた! と拍手喝采です」。現在では、日本の気候風土に合うワイン用ぶどう品種として、アルバリーニョは各地で栽培されるようになっているという。
太平洋沿岸のリアス・バイシャスで生まれたぶどう品種アルバリーニョは、平野さんいわく「魚介系ワイン」。「ちょっとトロピカルで塩味もあるので、たとえばガリシア地方で有名なタコとじゃがいもの炒めといった、イカやタコをはじめとした魚介の料理にぴったり。スペインのアルバリーニョは熟したリッチなものも多いのですが、日本産のアルバリーニョはより繊細でやさしさがあるので、いろいろな魚介に合いますね」
そこで今回、このワインにペアリングしたのは「アサリと菜の花、ボッタルガのスパゲティ」。「フェルミエの畑は日本海沿岸の越前浜にあり、土壌に海のミネラルをたっぷり含んでいます。そこに育つアルバリーニョのもつ塩味は、魚介と合わせると格別。日本ならではの贅沢なペアリングができるワインだと思います」と平野さん。
菜の花とアサリの取り合わせは、まさに日本の春。「春野菜ならではのほろ苦さ、アサリの旨みは、この季節に食べたくなる旬の味ですね。これだけでもいいのですが、さらにカラスミを加えてちょっとごちそう感のあるパスタにしました。オリーブオイルを使うことで、生臭みを感じることもありません」。アルバリーニョのかすかな塩味ときりっとした酸味が、アサリの風味とえもいわれぬハーモニーを奏でて思わずにっこり。食卓にひと足早い春の風を呼び込んでくれる、口福な組み合わせだ。
<今月のレシピ|
アサリと菜の花、ボッタルガのスパゲティ>
材料(2人分)
スパゲッティ160g、アサリ(殻つき)400g、菜の花1/2束、ボッタルガ(粉末)適量、にんにく1片、オリーブ油大さじ3、白ワイン大さじ2、塩、こしょう各適宜
1. アサリは塩水につけて砂抜きをする。にんにくは半分に切り、芽をとってつぶす。菜の花は水につけてしゃっきりとさせた後、3等分の長さに切る。
2.スパゲティは塩を加えた湯でゆでる。ゆであがる2分前に、菜の花の軸、花の部分を順番に鍋に入れて一緒にゆでる。
3.フライパンにオリーブ油大さじ1とにんにくを入れて弱火にかけ、香りが立ったらアサリを加えて炒める。白ワインを加えてふたをし、アサリの口が開いたら火を止める。
4.ゆで上がったスパゲッティ、菜の花を 3. に加えてあえ、スパゲッティのゆで汁(適宜)、ボッタルガ、オリーブオイル大さじ2を加える。塩、こしょうで味を整える。
※ 応募期間は終了いたしました
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平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理研究家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。ワイン好きとして知られ、ワインバー「8huit.」のオーナーでもある