マックスマーラのクリエイティブ・ディレクター、イアン・グリフィス。仕事からプライベートまで、彼の人生と日々の暮らしを豊かに彩る愛しきものたちを紹介する

BY ALICE NEWELL-HANSON, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

「自分がマックスマーラに気に入ってもらえるとは思いもしなかった」と語るのは、このブランドのクリエイティブ・ディレクター、イアン・グリフィス。勤続32年目、現在57歳の彼は、イギリス・ダービーシャー育ちの元パンク・ロッカー。1987年にマックスマーラ主催の学生向けコンテストで優勝し、同社に入社した。ヘッドデザイナー就任後は、不朽の名作といわれるアイテムを粛々と作り続けてきた。張りのある素材の完璧な白いシャツ、見栄えの良いシガレットパンツ、かの有名な「テディベアコート」などだ。若い頃、グリフィスは彼のヒーローであるデヴィッド・ボウイに触発されて、アバンギャルドな服装で街の伝説的クラブ「ハシエンダ」へ行ったりと、自己イメージを模索していた。「こういう面は今も私の中に残っています。そんなふうには見えなくてもね」と彼。今では、サヴィル・ロウ仕立てのスーツが彼のユニフォームだ。

画像: 「ここはマックスマーラの創設者、アキーレ・マラモッティによる私設ミュージアム、『コレツィオーネ・マラモッティ』。私が仕事を始めた頃は、ここが本社でした。毎日このリッチモンド・バートンの《Thought Plane Assembly 1 》(1990-’91)を見ていたので、この作品は私の人生の一部になっています」 PORTRAIT BY ANDERS CHRISTIAN MADSEN, ARTWORK BY RICHMOND BURTON, “THOUGHT PLANE ASSEMBLY 1,” 1990-91, OIL ON CANVAS AND WOOD © THE ARTIST, COURTESY OF COLLEZIONE MARAMOTTI, REGGIO EMILIA

「ここはマックスマーラの創設者、アキーレ・マラモッティによる私設ミュージアム、『コレツィオーネ・マラモッティ』。私が仕事を始めた頃は、ここが本社でした。毎日このリッチモンド・バートンの《Thought Plane Assembly 1 》(1990-’91)を見ていたので、この作品は私の人生の一部になっています」
PORTRAIT BY ANDERS CHRISTIAN MADSEN, ARTWORK BY RICHMOND BURTON, “THOUGHT PLANE ASSEMBLY 1,” 1990-91, OIL ON CANVAS AND WOOD © THE ARTIST, COURTESY OF COLLEZIONE MARAMOTTI, REGGIO EMILIA

 マックスマーラ社で働き始めた当初は、フランス人のスタイリスト、アンヌ=マリー・ベレッタのもとでジュニア・デザイナーとして働いていた。ベレッタは、80年代にワーキング・ウーマンの服装の原型をつくったともいえる人物で、ブランドのアイコン的存在であるキャメルのダブルコート「101801」を生み出した。彼女は今も、グリフィスに多大な影響を与える存在だ。ベレッタは「男性中心の支配層とも堂々と渡り合える女性」のための服をつくったのだとグリフィスは言う。「私もそういう女性、ただし現代に生きるそういう女性のために、デザインをしているのです」

 

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