BY JUN ISHIDA

経年変化が楽しめる銅板と板葺きの屋根。地元の職人とともに造られた
© HIROSHI SUGIMOTO / COURTESY OF N.M.R.L.
南アルプスや八ヶ岳を望む、山梨県北杜市にある文化複合施設「清春芸術村」。谷口吉生による「清春白樺美術館」をはじめ、安藤忠雄の「光の美術館」など著名建築家による施設が点在するこの地に、今年4月、新たな建物が加わった。現代美術家の杉本博司と建築家の榊田倫之が率いる「新素材研究所」が手がけたゲストハウス「和心」だ。

ギャラリーに座る杉本博司(左)と榊田倫之(右)
PHOTOGRAPH BY FUMIKO YAMAKI

江戸後期の真言僧、慈雲尊者による扁額。ここから「和心」の名がとられた
© HIROSHI SUGIMOTO / COURTESY OF N.M.R.L.
銅板と板葺きで造られた巨大な寄棟屋根が目を引く開放的な建物で、約90坪に及ぶ屋根は外周に沿って設置された細い銅製無垢柱で支えられ、空中に浮遊するかのような印象を与える。半分以上のスペースは、庭と現代美術を鑑賞する半屋外のギャラリー兼リビングルームに。残りの空間にベッドルーム、キッチン、バスルームが配されている。庭には対をなすような凹凸の形をした二つの巨石を配置。日がな庭を眺め過ごしたい空間だ。
「清春芸術村」
住所:山梨県北杜市長坂町中丸2072
電話:0551(32)4865
※「和心」宿泊の料金・条件は問い合わせ
公式サイト
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