西部開拓時代の町並みが残るリビングストンは、自然豊かなイエローストーン国立公園の玄関口だ。そして作家や俳優らセレブリティーが暮らし、居心地のよいレストランや個性的な書店が軒を連ねる“文学の町”でもある

BY NATALIE STOREY, PHOTOGRAPHS BY LYNN DONALDSON, TRANSLATED BY G. KAZUO PEÑA(RENDEZVOUS)

<EAT>

「The Second Street Bistro(ザ・セカンド・ストリート・ビストロ)」
シェフでもありテレビ番組の司会者でもあった故・アンソニー・ボーディンや作家のジム・ハリスンなど著名なグルマンのお墨付きもあって、このビストロはずいぶん以前から、アメリカのグルメ・スポットとして有名だ。シェフのブライアン・メンゲスは、2004年にマレー・ホテルの古いダイナーを引き継ぎ、ワインを豊富に取り揃えた高級レストランとして生まれ変わらせた。フランス料理から着想を得ながらも、堅苦しくない雰囲気のビストロでは、(メンゲスは冗談で、自分がかつてファミリー・レストランのチェーンであるパーキンズの地域担当マネージャーだったと語る) 伝統的な料理には、地元の牛肉、鶏肉、羊肉に加え、レストランが所有する近所の農場で採れた農産物を最大限に活用している。メンゲスは、自身が経営する隣の「マレー・バー」の方にいることがある。そこで彼は、安いビールを飲みながら、前述したアンソニー・ボーディンやジム・ハリスンにまつわる逸話を語るのである。
secondstreetbistro.com

「Mustang(マスタング)」
「マスタング」の定期的に代わる旬のディナー・メニューは、イエローストーン・グラスフェッド・ビーフやフラットヘッド・チェリーなど、モンタナ州産の食材が目玉である。ランチの時間帯には、このフレンドリーな雰囲気のカフェは、シェフの名物であるチキン・ポットパイや野牛ミートローフのサンドウィッチなど、高級デリのような食事を提供する。オーナーのキャロル・サリバンは、1997年にケータリング会社を立ち上げて以来、リビングストンのセレブ達のために料理を作ってきたが、2001年にマスタングをレストランへと変身させた。近所に暮らすマイケル・キートンやジェフ・ブリッジスは、パーティーの料理を今でもサリバンに依頼しているが、彼女は最近ではケータリングを引き受けるのを減らしている。事前の予約がオススメだ。
mustangfreshfood.com

「Pinky’s Cafe(ピンキーズ・カフェ)」
朝食と昼食のスポットとして人気のこの店を、地元の人たちは、“デスティネーション・パンケーキ(究極のパンケーキ)”と呼ぶ。リビングストンのバーで踊りながら一夜を過ごした翌朝に立ち寄れば、濃いコーヒー、しぼりたてのオレンジジュース、そしてベーコンエッグを食べることができる。シェフのモーガン・ミルトンは、忙しすぎる高級レストランの世界から、気分転換を求めて2013年にこのレストランを引き継いだ。元のオーナーであったミュージシャンのリッチ・“ピンキー”・ラッグルズに由来する店名はそのまま存続させたが、それまでは何十羽ものプラスチック製のフラミンゴが飾られていた店内のデザインは、改めることにした。現在の世界観はモダンな農家をイメージしたもので、厨房からはミルトンいわく、「創造的なコンフォート・フード(ホッと安心させる、子供の頃を思い出すような家庭料理)」が提供される。特にパンケーキは、地元の作家であるウォルター・カーンのお気に入りだそうだ。
pinkyscafemt.com

画像: (写真左)マスタング (写真右)ピンキーズ・カフェ

(写真左)マスタング
(写真右)ピンキーズ・カフェ

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