ここ数年、世界のワイン界の話題となっている“ニュー・カリフォルニア”の中でも、真打といえる存在が5月に初来日。“カルト的”とも評される彼らの魅力とは?

BY KIMIKO ANZAI, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO

 もとより、ふたりともワインを身近にして育った。ネイサン・ロバーツの祖母は“カリフォルニアワインの父”と謳われた故ロバート・モンダヴィの妻であり、父はワインの樽職人。母は「ロバート・モンダヴィ・ワイナリー」のシェフを30年間務めた人物だ。一方のダンカン・アルノー・マイヤーズは父が弁護士であったことから、そのクライアントにはワイナリー経営者が多かったという。

「今、自社畑は1ヘクタールのみ。あとはすべて契約農家です。でも、ダンカンのお父さんのおかげでベックストッファーやハドソンなどの著名な栽培農家と契約できたことは、本当にラッキーでした」。その後、カリフォルニアでは一般的でなかった品種の栽培や、温暖な気候に適した品種を冷涼な気候で育てることなど、彼らは次々と新しい試みに挑戦していった。

画像: 太平洋を望む「アルノー・ロバーツ・ワインズ」のブドウ畑 PHOTOGRAPH: COURTESY OF ARNOT-ROBERTS

太平洋を望む「アルノー・ロバーツ・ワインズ」のブドウ畑
PHOTOGRAPH: COURTESY OF ARNOT-ROBERTS

画像: ブドウの中にあるネイサン・ロバーツの自宅。まわりの風景が素晴らしく、気に入っているという PHOTOGRAPH: COURTESY OF ARNOT-ROBERTS

ブドウの中にあるネイサン・ロバーツの自宅。まわりの風景が素晴らしく、気に入っているという
PHOTOGRAPH: COURTESY OF ARNOT-ROBERTS

 彼らの名を一気に高めたのは、『サンフランシスコ・クロニクル』誌のワインライター、ジョン・ボネの著書『ニュー・カリフォルニア・ワイン』だった。一章すべてが「アルノー・ロバーツ」の記事に費やされていたことで、注目度は一気に上がった。従来の重厚なスタイルではなく、繊細な酸味とエレガントな果実味をもった彼らのワインは、ソムリエをはじめとする多くのレストラン関係者の心を動かし、ワインに対する意識を変えさせた。

「今、カリフォルニアの食は、素材のよさを生かした軽やかなスタイルへと変化しています。レストラン関係者が私たちのワインを選んでくれたのは、“食事に合わせやすい”という理由が大きかったのではないでしょうか」とネイサン・ロバーツは、人気が出た理由を冷静に分析する。

画像: 今回の来日は、半分仕事で半分はホリデー。結婚9年目の妻ジェニファーとともに、富士山や温泉への旅を楽しんだ。妻もワイン業界で働いており、夫のよき理解者となっている。「彼が素晴らしいのは、ハートでワインを造っているところ。でも、仕事に口出しはしません。私より付き合いが長い、信頼できるパートナー(ダンカン)がいるから(笑)」

今回の来日は、半分仕事で半分はホリデー。結婚9年目の妻ジェニファーとともに、富士山や温泉への旅を楽しんだ。妻もワイン業界で働いており、夫のよき理解者となっている。「彼が素晴らしいのは、ハートでワインを造っているところ。でも、仕事に口出しはしません。私より付き合いが長い、信頼できるパートナー(ダンカン)がいるから(笑)」

 また、“ニュー・カリフォルニアの旗手”と評されることをどう思うか、彼に聞いてみると、こんな答えが返ってきた。

「きちんと認められたということでしょうから、悪い気持ちはしません(笑)。ガメイ・ノワールなど、カリフォルニアでは一般的でない品種も造っているので、そのユニークさも評価されたのでしょう。でも、“ニュー”と名がつくものは、いつか“ニュー”ではなくなる。私たちは、ずっといいものを造っていられるよう、努力を続けなくてはいけません。そのために大切なのは、やはり畑です。その畑が造りたい品種に適しているかどうか、見極めていくことがワインの質を決定づけると思っています」

 テロワールの可能性を信じ、新しいことにチャレンジし続ける「アルノー・ロバーツ・ワインズ」。その革新的な精神は、ワインにしっかりと表現されている。

問い合わせ先
ワイン・イン・スタイル
TEL. 03(5413)8831
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